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第21話
部署につくと居たのは赤羽と少しの女性捜査員だけだった。
「課長、何か情報でもありました」
「追いかけてる薬が使用されてるホテルが見つかった。お前たちが現場抑えろ」
「どこです」
すると赤羽は捜査資料を古賀に渡し、目を通す様に伝える。
「なるほど…もう突入の日決まってるんですか」
「潜入した奴らからの話によると決まって売人が来るのが偶数月の第2土曜と第5金曜らしい。今直近で現れるとしたら来月の第2か5だと思われる」
「その日に俺と藤堂で現場を押さえれば良いんですね」
「あぁ……お前、新人呼びはやめたんだな」
真剣に資料を読みホテル内の構造を頭に入れながら話す古賀に向かって赤羽は面食らった様な顔で古賀の顔を見た。
「後にしてもらえます。余計な情報詰め込みたくないんで」
「相変わらずだな。…ま、お前と新人で現場を抑えんのは今回が初めてだ。気ぃ引き締めていけよ」
赤羽はそれだけいうと古賀に上がっていいぞと言って自分の煙草を手に持つと喫煙室へと向かうため部屋をあとにする。
「あ、そうだ。古賀」
「……?」
扉に手をかけた赤羽は此方を振り返り、大声で古賀に向かって言った。
「お前もそろそろ吹っ切れて先進めよ。あと、新人を家に連れ込むとは大胆な先輩だな」
藤堂との関係に茶々を入れるかの如く周りに聞こえるくらいの大声で揶揄い足早に消えていく。
その言葉を聞いて周りの捜査員がざわつく。
女性捜査員が面白そうに古賀へと進捗を聞き出したりあらぬ事を周りに言いふらす。
(あの野郎……そういうネタが一番食いつかれるって解っててやってるな)
捜査に集中したい古賀だったが前から後ろから女性陣に藤堂について聞かれ、波風立てぬように逃れる事に奮闘するのだった。
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