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第22話
某日 夜
古賀と藤堂は例のホテルの裏口へと来ていた。
この前赤羽から伝えられた現場を抑えるためにホテルへと張り込み、インカムからターゲットが店内へと入る連絡が来るのを待っている。
(俺にとって初めての現場…失敗はできない)
緊張で吐きそうな藤堂ではあったが、足を引っ張らないよう気を引き締め直すため両頬を強く叩く。
そんな様子を見て古賀が一声かける。
「先行は俺が取る。お前は出来るだけ離れないよう着いてこい」
「……はい」
するとインカムからターゲットが入店したとの情報が入り、2人は店内へと足を踏み入れる。
階段を上がりターゲットの居る階層を目指して慎重に進む。
無駄のない動きをする古賀の邪魔にならぬよう着いていく藤堂。
目的に階へと到着し、角から様子を覗くと部屋の前に数人の構成員が確認取れた。
「3人か…」
小声で呟き、腰に添えてある拳銃へと手を伸ばすと素早く相手目掛けて構える。
そして確実に撃ち込むと構成員たちの呻き声が廊下に響く。
2人は銃を構えたまま彼らに近づき、気絶させると持ち物から危険物を取り除きインカムで応援を頼む。
「ターゲット部屋前に3人 確保。応援頼む」
『了解…そのままターゲットに近づけ』
インカムの指示に顔を見合わせ頷くと部屋の扉の左右に張り付きゆっくりと開ける。
すると騒ぎを警戒して待機していたのか、1人の男が発狂しながら勢いよく部屋を飛び出す。
中から出てきた男を古賀が捕え抵抗出来なくすると、顔を確認する。
資料に貼られていた写真の男と一致した事を確認すると古賀がインカムに向かって再度状況を伝える。
「星確保。すでに使用しているのか、かなりの錯乱アリ」
『貴重な資料だ、逃すなよ。応援を急がせる』
大声を出し暴れる男を古賀が抑えこみ応援が来るのを待つ。
藤堂は開けられた扉を見つめ、異変がないかを見張る。
部屋の中は煙が充満しており使っていた痕跡が窺えた。
(これがこの前の薬…)
藤堂は吸い込まないよう袖で口元を覆うと微かに人の影が見え、目を凝らす。
「古賀さん。中に人がいます」
その言葉に古賀が反応し錯乱している男を大人しくさせると部屋の奥へと同様に瞳を凝らした。
部屋の中には藤堂の言う通り壁にもたれ掛かる人影が見える。
「…いくぞ」
再度銃を構え直し古賀が藤堂に合図をすると藤堂は黙って頷き、出来る限り吸い込まないように息を止めながら部屋の中へと足を踏み入れた。
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