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第26話
その後、落ち着いた藤堂は古賀と一緒に病院へと向かい治療を受けた。
1度とはいえ不本意に薬を吸わらせれてしまった藤堂は薬の禁断症状が抜けるまで観察と通院を余儀なくされた。
古賀は当然の事のように専念するよう藤堂に言い、赤羽に電話をかけるべく部屋を後にしてしまう。
(…捜査にも関われないのか)
医師の話が全く見に入らず左から右へと流れていく。
(迷惑かけてばっかりだな…俺)
バディを組んでからというものの、古賀に頼りっぱなしの藤堂は悔しさから拳をきつく握り締め涙を堪えた。
「……さん。藤堂さん」
「っ!はいっ!」
「話聞いてましたか?」
「す、すみません…」
医師にそう言われ、咄嗟に謝ると話に意識を集中させる。
(まずは普通に戻さないと…)
この中毒性の高い薬から抜け出すために気持ちを強く持たなくてはと言い聞かせるのだった。
ーーーーーーーー
藤堂を病院へ送り届けた古賀は赤羽に状況を説明するべく外へと出ていた。
「…って感じです」
『まぁ、当然だな。暫くはお前1人で行動しろ。…藤堂には悪いが最悪の場合、今後の現場には出せないかもな』
「……あいつの責任じゃないですよ」
『お前はまたそうやって…あっちにいた時もそう言って自分犠牲にして戻った来たくせに。こっちが解ってても上はんな事考えてないんだよ』
赤羽にそう言われるがこの前の藤堂の言葉が頭をよぎって離れない。
『兎に角、藤堂には俺から連絡しておくからお前は煌晻を意地でも捕まえろ』
それだけ言うと赤羽は電話を一方的に切ってしまう。
(……犠牲ね。)
赤羽に言われた言葉を繰り返し唱え、天を仰ぐ。
「……成長しねぇな、俺」
大きなため息をはき出すと、煙草を片手に持ち気分転換に喫煙所へと向かった。
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