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第27話

「……はぁ」 外ではセミが鳴きギラギラと陽が照りつける中、捜査課では藤堂が1人で事務作業を行うためパソコンと向き合っていた。 案の定、藤堂は捜査から外され古賀とのバディも一時解消という状態になり課に回される事務をこなす他になかった。 いつ禁断症状が出るか解らない状況下でバディは組めないのと煌晻に目をつけられてしまったという事で赤羽から説明を受けたが、どう考えても失態を犯したから捜査に関わるなと言っているとしか思えない。 項垂れながら机に突っ伏し、山のように溜まった書類を見ては魂が抜けるくらいのため息をつく。 この場に赤羽がいたら辛気臭くなるから止めろと言われるに違いないが生憎、今は会議に参加してる為やりたい放題だ。 (俺もみんなと一緒に行きたかったな…こうやって事務仕事を続けて1ヶ月弱…しんどいなぁ) そんなことを言ったところで現実は変わらない。 受け入れなくてはいけない現実を1人で苦虫を噛み潰したような顔をして受け入れると書類の山と向き合う。 カタカタと音を立ててパソコンを打っていると、不意に課の扉が開いた。 「…お邪魔しますー。って1人?」 そこに居たのはサブカル系の服装と遊んだマッシュヘアに大きく目立つヘッドホンを首に下ろし、手土産なのか巷で人気のシュークリームの入った袋を片手に持った梶だった。

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