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六曲目

数週間後、音也のデビュー曲、ただ好きな人は大ヒットした。 一躍時の人となった音也は勘違いする事なくインタビューされる度、桐生さんのお陰…と言う言葉を口にした。 音也が好きな人の事を想って作った歌、ただ好きな人は後日、音也が好きな男の耳にも届いた。 「ただ好きな人って歌いいなぁ…」 医局の中。そこでそう呟いた美青年、神山龍司は音也の主治医だった男。 統合失調症の音也は龍司の都合で龍司が病院を辞めた後、龍司を愛している事に気づいたアフォで今も薬を飲んだりしている病人。

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