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4.※生理描写

「⋯⋯!」 急な腹痛に飛び起きた。 正確にいうと、普段とは違う箇所から感じる腹痛に似た痛み。 「葵⋯⋯? どうしたの」 「⋯⋯生理、かも」 そう言った直後、後孔からドロっとしたものが流れていくのを感じ、血の気が引いた。 このままでは兄の服を汚してしまうと、とっさに足を閉じたが、無意味だった。 兄の手によって抱き上げられた時、「⋯⋯結構出てしまったね」という呟きで絶望に変わった。 「⋯⋯ぁ⋯⋯ごめ⋯⋯なさい」 上手く呼吸が出来なくなっていき、謝罪の言葉を口にすることすらままならなくなった。 少しの沈黙ですら恐ろしい。 心なしかカタカタと震えている葵人に、「謝ることじゃないよ」という言葉が降ってきた。 「僕の方こそ、周期が分かっていたのに準備をしておけば良かったね」 泣きそうになる葵人を宥めるように撫でてきた兄の手も含めて、一瞬理解が遅れた。 怒られない。 怒られないというのならそれまでだが、疑問に思ってしまった。 どうしてと心中首を傾げながらも、抱き上げたまま畳んだ布団の上に寝かせられ、掛け布団をかけてくれた。 「こんなことしたら、これも汚れちゃう」 「いいんだよ。葵が気にすることじゃないよ。それよりもお腹を温めておかないと」 「タンポンと着替えを取ってくるから、このまま横になっててね」と慰めるように撫でていた兄に小さく頷いて、不安げな瞳で去っていく後ろ姿を見つめていた。 汚してしまった。 一人になった途端、嫌な思考がまとわりついた。 葵人の場合、経血量も多く、気を抜くと先ほどのような碧人の服にべったりとついてしまうぐらい悲惨なことになる。 気にすることじゃないと、今は優しく気遣ってくれているが、この期間が終わったらお仕置きされる。 あの緊縛で上機嫌だったのに、自分の愚かな行動のせいで機嫌を損ねさせてしまう。 今も着替えを持ってくると言って、放置しているのかもしれない。

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