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9.※ポリネシアン1日目

「⋯⋯僕が、シたい⋯⋯って、言ったから、シてもいいよ⋯⋯?」 「でも、無理にやるものじゃないから。いつだってできるものだし⋯⋯」 浴衣を整え、布団を改めて掛けてくれた碧人が心配そうな顔を見せてきた。 そのような顔を見ると、自分は愛されていると錯覚してしまう。 その彼の指先をそっと握りしめた。 「あお、とさんともっと繋がりたいから。繋がっていると思いたいから⋯⋯いいでしょ?」 自然と上目遣いで訴えかける。 双方とも瞬きもせず見つめていたのも束の間、碧人の方が先に視線を下げた。 「⋯⋯分かった。一緒にいてあげるって約束したもんね。けど、本当に無理そうだったら、ちゃんと言うんだよ?」 「うん、ありがとう」 小さく微笑むと慈しむように撫でてきた。 「さて、早速やろうか」 本来ならば互いに全裸となって座った状態で見つめ合うらしいが、葵人がお腹を冷やしてはならないため、浴衣を着たまま布団に被った状態で、碧人も一緒になって横になり、見つめ合う形となった。 このような生活になってから、碧人のことを真っ直ぐに長く見つめるのは初めてだった。 真偽は定かではないが、五年経ったと思える、あの頃よりも彼の顔だちが変わったように感じられる。 綺麗な顔だな。惚れてしまう。 兄弟だと思っていた頃は、このような感情を向けるのはおかしいと思い、ひた隠しにしていたが、今はそう思ってもいいんだなと、嬉しいとも悲しいとも複雑な感情が芽生える。 「どうしたの⋯⋯? どこか痛い?」 心の中で思っていた気持ちが顔にまで出てしまっていたようだ。慌てて「ううん、大丈夫」と笑顔を見せた。

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