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「それにしても、こうしてずっと見つめ合うのは久しぶりだよね。昔も寝る前にやっていた⋯⋯よね?」 「そう。葵は眠たい目を擦ってまで僕と話したかったみたいで、僕が『遅いから話すのはまた明日にしよう』って言ったら、『見つめ合って、僕が笑ったら寝る!』と提案してきて。今みたいに見つめ合っているうちに葵、寝ちゃったんだよね」 「自分から言ってきて、寝ちゃうだなんて本当に可愛いよね」と肩を震わせてまで笑う兄におぼろげだった記憶が鮮明になったのもあり、恥ずかしくて顔が熱くなった。 昔も同じようなことをしていた無邪気なお遊び。けれども、あの頃と違うのは、何も知らずのうちに突然兄と交わり、無理やりそのような関係になってしまい、そういった可愛らしい遊びですら容易に口にすることすら出来なくなってしまった。 「今の恥ずかしがってる顔も可愛いよ」 目を細めて笑う彼は、「触れたいけど、まだ時間じゃないんだよね」と言い聞かせるように触れたそうにしている手を開いては閉じていた。 「え、と⋯⋯30分ぐらいやるんだっけ?」 「そうだよ。なかなかずっと見つめ合う機会がないから、その見られているというのが恥ずかしくもあるけど、じんわりと感じるでしょ⋯⋯?」 そう言われてみれば、生理というのもあるが、それも相まって下が疼いている。 「こうやって残りの六日間もやっていくんだ。⋯⋯少しずつ、馴染ませるように⋯⋯ね」 目の前にいるはずなのに、まるで耳元で囁かれたような錯覚にぶるりと身が震えた。 浴衣が先走りで染みを作ったようで、それに気づいた時にはさらに朱に染まる。 一日目でこのような感じで、あと六日間持つだろうか。 時間を告げるアラームの音を聞き、ようやく触れられることに喜びの抱擁をしてくる兄の腕の中、抑えきれない欲を抱えながら、少し不安を覚えるのであった。

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