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11.※2日目

昨日と同様に、しかし、双方半身だけ脱いだ状態で、見つめ合うこととなった。 それでも、葵人は生理が終わってないため、腹部まで布団を掛けていたが。 「大丈夫? 寒くない?」 「うん、寒くない⋯⋯」 元々、室温がちょうどいい具合の温度になっているため、半身だけ脱いだ状態でも寒いとも思わなかった。 そのことも加えて、障子で閉め切られていて、外の景色が見られず、季節を感じられない。 兄のことであるから、これから先もこの命が終わるまでこの中で暮らすことを強いられるのだろう。だから、そのことはもう諦めないといけない。 今はそのことよりも、当たり前となってしまった欲をぶつけ合う時も、一糸まとわぬ姿となり、見慣れているはずなのに、見てはいけない気持ちになっているのだ。 また自身のが疼いているのを感じる。 「葵? 頬を赤くしてどうしたの? もしかして、暑いの⋯⋯?」 「えっ、あ、ううん、暑くないよ! 大丈夫! 大丈夫、なんだけど⋯⋯」 歯切れの悪い言い方をしたことで、碧人が「ん?」と知りたそうに葵人の口から言うことを待っている。 思っていることを口にするのは、羞恥を感じさせる。 このままその話題に触れず、適当にはぐらかそうか。それとも、羞恥を承知で話そうか。 「⋯⋯もしかして、この姿が恥ずかしい⋯⋯?」 目を見開いた。 この兄にはやはり隠し通せないようだ。 素直に頷くと、「そう」と僅かに目を細めた。 「いつも見ているでしょう」 「でも⋯⋯ずっと見ることなんてないから」 「そうだね。身体中の(あい)がたくさん付けたことを再認識できるしね。いい機会だ」 嬉しそうに微笑みかけられて、頬が昨日よりも熱くなるのを感じる。 食事を摂るように日常の一部と化した交わり。その時に嫌というほど兄から痕を付けられる。 まるで、自分のものだと知らしめるかのように。

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