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12.
「どうして、そういう反応をするの⋯⋯。触れたくて仕方なくなるよ」
「⋯⋯ごめ、⋯⋯なさ⋯⋯」
「葵が気にすることじゃない」
その言葉のように安心させるような笑みを見せてくれ、安堵した葵人は自然と笑みを返した。
「⋯⋯あ。そういえば、昨日もそうだけど、兄さ⋯⋯その格好、痛くない? 僕だけ布団に入っているのが申し訳なく思うのだけど⋯⋯」
時間になるまで触れてはならないため、やや距離を取った畳に、今日はその上で半裸の姿で横になっているものだから、それほど長くない時間とはいえども、痛くはないのだろうか。
「このぐらい平気だよ」
笑みを湛えたまま碧人は言う。
「葵の生理痛に比べれば、このぐらいの痛みなんて大したことじゃない。ずっと続くわけでもないしね」
「本当に?」
「うん。けど、気遣ってくれてありがとう。葵は昔から変わらずに優しかったよね」
「そんなこと⋯⋯」
手放しに褒めてきて照れくさくなる。
産まれた時から当たり前に一緒にいて、葵人のことを充分に知っているからこそ、そのようなことが自然と言える。
嬉しいと思う反面、兄はいつ頃から葵人のことを弟としてではなく、兄弟以上の感情として見ていたのだろうか。
気になるけど、言えない。
「今日も身体が疼く感じがする?」
「⋯⋯え⋯⋯あ、褒められたのもあって、ムズムズとした感じがするかも」
「ふふ、そう⋯⋯。今日も浴衣を汚してしまうほどであったら、僕も嬉しく思うよ」
「⋯⋯!」
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