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14.※3日目

そわそわして落ち着かない。 薄明るい部屋の中、葵人は目を開けた。 今日がいつ、何時なのかはまったく分からなく、本当に次の日なのかと実感が湧かないが、生理が落ち着いてきた頃合いであるから、たしかに時間は経っている。 それに今は、時間をかけてする行為もあって、嫌でも実感させられる。 「おはよう、葵」 突如、耳朶を震わす夜の帳のような声が囁いた。 身体が震え、しかし、奥底に眠っていた欲が呼び起こされるのを感じた。 「兄さ⋯⋯っ! ⋯⋯起きていたの」 「ふふ。今日は葵の寝顔を見ていたくなってね。⋯⋯それに、今日のことを考えると落ち着かなくて、ね⋯⋯」 そう言う兄の顔が嬉しさが抑えきれないといった微笑を浮かべており、ちょっと可愛いなと思ってしまった。 「⋯⋯実は、僕もそうなんだ。生理が落ち着いてきたのに、二日間とは違うことをすると思ったら、急に落ち着かなくて⋯⋯」 「葵と同じ気持ちということも嬉しくて堪らないよ。今日はできる限り可愛がってあげるね」 布団越しに回されていた手が離れたことに、少し寂しさを覚えている葵人の上に跨がり、布団を腹部辺りまで捲り上げた。 今から、するんだ。 自ら半身を脱いだ碧人が、葵人の浴衣を丁寧に脱がしていく最中、じわじわと身体中が熱くなっていった。 「頬がほんのりと赤くなっている⋯⋯今からすでに期待しているね⋯⋯?」 指摘されて、さらに頬が熱くなるのを感じる。 それに気づかれたのだろう、口元を手で隠しながらも肩を震わせてまで笑っていた。 「⋯⋯嬉しすぎて、達しないようにね」 囁くように言うと、ふっと顔を近づけてくる。 何をしてくるのかと、反射的に目を閉じた時、頭に柔らかいものが触れた感触があった。

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