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慰めるかのように頬にキスをしてくれた。 あと二日ならどうにか頑張れそう。 お礼の意味も込めて、葵人も頬にキスをし返すと、「ふふ、ありがとう。身体にもいっぱい痕をつけてあげるね」と言って、両肩、二の腕、肘にまでキスをした。 「⋯⋯も⋯⋯っ、だめ⋯⋯達しちゃいそう⋯⋯」 「⋯⋯ふふ。早いけど今日はここまでだね」 「⋯⋯ぁ⋯⋯」 掬うように髪を撫でられた後、浴衣を直し、布団を掛け直してくれた兄は葵人から離れた。 半ば無意識に言ってしまったことに後悔した。 「⋯⋯ごめ⋯⋯な、さ⋯⋯っ」 視界がじんわりと滲む。 今日もまた浴衣を汚してしまったから、きついお仕置きをして欲しい。 その肌にもっと触れていたい。 「⋯⋯何も、謝ることじゃないよ」 立ち上がっていた兄がそばに座った。 が、ただ優しく微笑んでくれるだけで、触れてこようとしない。 触れ合うのは許された時間の中だけ。今も我慢しきれなくなったのだから中断させたのに、自ら触れようとするなんてさすがに呆れさせてしまう。 けれど⋯⋯。 「それとも、謝るようなことをこれからしようとしているわけ⋯⋯?」 ゆっくりと首を傾げながら訊ねてくる。 誰もが惚れてしまうような笑みを称えたままで見つめてくる。だが、葵人の目には静かに憤っているように見えた。 次に発する一言で碧人の態度を一変させてしまうかもしれない。 けれども、どっちに転んでも葵人にとっては嬉しいことだった。 だから、素直な気持ちを口にする。

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