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22.※4日目
今日はせめて座った状態でいて欲しいと言われた。
生理もそろそろ終わりがけということから、座っているぐらいならばさほど支障はないはず。二つ返事で了承した。
「けど、無理はしないで。昨日みたいに途中で止めてもいいからね」
「うん。気遣ってくれてありがとう」
微笑むと穏やかな笑みで返してくれた。
それから、目の前で兄が自ら脱いでいくのをそっと手で阻止した。
「葵⋯⋯?」
「あの⋯⋯今日は僕が脱がせてもいい?」
躊躇いがちにそう言うと、不思議そうな顔をしていた碧人はふっと笑った。
「もちろん。とても嬉しいな」
言葉通りに嬉しそうにする兄の脱ぎかけの浴衣を、恐る恐るといった手つきで脱がせていく。
勢い任せで言ってみたことだが、兄から脱がされることはあっても、葵人から脱がせることはなかったと思い、初めてのことに心臓が高鳴った。
「ふふっ。葵に脱がせてもらえる日がくるなんてね⋯⋯。この行為を続けて良かったと思うよ」
「うん⋯⋯そうだね」
隠すものがなくなった兄の身体をそっと見た。
透き通る白い肌に、程よい筋肉が付いている。
そのような身体で、気を失うほど抱かれているのだと思うと、ほんのりと頬を染めるものの、不意に自分の男とも女とも見える、中途半端な身体とは違うなと物寂しそうな目で見つめていた。
「葵、僕の身体をそんなまじまじと見つめてどうしたの?」
「⋯⋯え、⋯⋯あ⋯⋯えっと⋯⋯」
迷うような声色を発した。
こんなこと、言ってもいいことなのだろうか。
こういう身体になったことも、将来子どもを産むためであって、それを否定したら、桜屋敷家の者の意に反していると罰を与えられるだろうか。
聞きたそうにしている兄の目を見ず、怖々と口を開いた。
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