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26.※5日目

昨日と同じように座ったままの状態で行為が始まった。 頭からキスが始まるのはここ二日間と同じだと一瞬思ったが、軽くされていたことが丁寧に気持ち長くしていた。 「ん⋯⋯っ、今日はなんだか長くしてない⋯⋯?」 顔辺りをキスされながら、葵人は彼の浴衣を脱がせてあげつつ、それとなく訊くと「あぁ、それは」と言った。 「二日間のような軽いものを今日もするのは物足りないでしょう? だから、今日は長くしようと思って。そしたら、もっとじわじわと快感を感じられるでしょう⋯⋯?」 「ふ⋯⋯っ、んっ」 首筋辺りを指先でさわさわと触りつつ、耳の縁を食むように口付けられて、ビクンと跳ねた。 もうここ数日の間で感度が極まっている。これ以上刺激を与えられると、今日こそ我慢ならない。 「⋯⋯も、もう⋯⋯僕は、⋯⋯──ふっ!」 言葉を封じられるようにゆっくりと唇を塞がれた。 思わずおねだりをした行為を不意にされたことにより、二日経ったのだと、我慢できたご褒美としてしてくれたのだと思ったのだが、今その行為をされるとすぐさま限界を達してしまいそうな気がして、震える手で押し退けようとした。 だが、実際にはただ葵人の唇に重ねる程度で、舌を入れてこないのがもどかしく、こうして欲しいという意思を示すため、僅かに開いた隙間に自身の舌を捻りこんだ。 が、その思惑に気づかれたようで唇が離れていった。 「珍しく葵から求めているのは嬉しいけど、今はゆっくりとやらないと」 「で、も⋯⋯あ⋯⋯」 「僕を押し退けようとするぐらい限界に近いのだから、激しいことをしたら、今までしてきたことが水の泡になるよ? それでもいいなら別にいいけど」 快感に打ち震えながらも言ったほどであるから、気づかないはずがない。何度も、今までの努力を一瞬にして無駄になってもいいから、お仕置きされたい、壊れてしまうほど激しく抱かれたいと思ったが、兄の口からそう言われてしまうと躊躇してしまう。 素直に従わないとという理性と酷い言葉を浴びかせられながら意識が吹っ飛ぶぐらいめちゃくちゃにされたいという本能がせめぎ合っていた。

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