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そんな中、葵人が口にしたのは。 「⋯⋯ごめんなさい。まだ頑張るから、行為を続けて」 「⋯⋯そう。そういうならば続けるね」 満足そうな笑みを見せると、首筋から再開した。 もう一度、唇に欲しかったと言えるはずがなく、浴衣を焦らすように脱がされつつ、吸うようにキスを落としていく。 「は⋯ぁ⋯⋯ふっん⋯⋯ぁ」 強ばっていた身体がすんなりと解け、甘い吐息が漏れる。 昨日と同様に背中辺りにも口付け、臀部の割れ目に差し掛かるというのが順番的に察した時、最も敏感な部分がじくじくとし出した。 と、そうしている中、待ち侘びていた箇所に唇が触れた。 「⋯⋯あっ」 甲高い声が思わず漏れ出た。 快感に身を震わせていると、背後から笑いが聞こえた。 「葵は、ココを触れられるのが好きだね。もっと触れて欲しい⋯⋯?」 「ふぁ、んっ、んぅ⋯⋯っ」 割れ目に沿って、柔らかいものを触るかのように今度は指先で触れられる。 その触り方が全身が疼いている葵人にとっては、むず痒くて仕方なかった。 「⋯⋯ただ快楽に溺れるだけであったら、いくらでもこうしてあげたいけど、今は我慢しないといけないからね」 物欲しそうに後孔をヒクつかせていると、手が離れてしまった。 どうして、と言ってしまいそうになるのをぐっと堪えた。 それから愛が刻まれる度に、甘い声を漏らし、達しそうになるのを耐え続けた。 そして、足の指先に触れ、終わりを告げる抱擁をしてくる。 兄のことを脱がす余裕がなく、前がはだけた格好の彼に抱きしめられる形となったが、ちょうど顔を埋めるところが直に肌を触れるところであったため、興奮を促進させることとなった。

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