33 / 47

33.

キスされながら、後頭部を支えられつつ、仰向けとなった。 そして、それがちょうどいい頃合いだというように、腹部辺りに唇を這わせる。 胸にしつこく愛を見せてきたというのに、急に他へ向けられたことに切なくも感じたのも束の間、積み重ねてきた痕に触れられて、自身のがヒクついた。 それ以上勃ってしまったら、また兄に弄ばれるきっかけになってしまいそうで、気が気でなかった。 ──と、そのことにかまけている場合ではなくなった。 足の付け根に手が触れられたかと思えば、鼠径部に唇が触れた。 「······あっ」 少しずつピクピクと震える自身に唇が近づく。 あれほど胸を愛部していたものの、肝心の乳首には触れてこなかった。 とはいえども、片方だけとなったニップルピアスのこともあって、触れられずとも過剰に反応してしまうのだが。 それでも、兄の唇で触れて欲しい。 「僕に触れられる度に、可愛く反応しているところを間近に見られて、もっと愛を付けたくなる······」 「ふ······っ、んぅ、んっ」 「声、我慢しなくていいのに。僕に可愛い声を聞かせて······?」 「んっ、ふぁ! あっ、あっん······っ!」 太ももの裏辺りを触れるか触れまいか程度に触り、自身の間際まで唇を攻めてくる。 自分の声ですら、興奮を高める材料となってしまうから抑えていたというのに、それもいとも簡単に暴かれてしまう。 イキたくない······っ! 今日我慢すれば、挿入()れてくれるというのに······! 「ふぁ、んっ、あっ、ふっう、んぅ」 イキたくない······っ! ふっと、碧人の唇が離れた。 瞬間、無意識のうちに浮かせていた腰を打ち付けた。

ともだちにシェアしよう!