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43.※素股

どうして、と疑問に思ったが、言われるがままに足を閉じた。 と、突然、兄が葵人の足を抱えて、肩に担いだ。 何をしようとしているのか。 「僕がいいって言うまで、足を広げてはいけないからね」 それは一体どういうこと、と思わず口にしかけた、その時。 ズッと、閉じられた足の間から、碧人の昂りが顔を出した。 「え······にいさ······何を······──っ」 言葉を遮るように、一突きした。 腰を打ち付ける兄に呆然としてしまっていた。 いきなり、何を。 「ほら、見てないで慰めたら?」 「え······」 「早く」 困惑を抱えつつ、促されるように自慰を再開した。 少し落ち着いてきた興奮を再び呼び起こす。 それに混じるように碧人が律動してくる。 「は······っん、······ふぅ、ん」 「ふ······っ、ふ、ん······」 碧人の漏らす声に自身のが反応している。 挿入()れられているわけではないのに、まるで挿入れられているように錯覚する行為。腰を打ち付ける度に、足の間に熱を感じ、玉袋同士が当たることも興奮を引き寄せた。 ──手を少し伸ばせば届くその熱に、触れてしまいたい衝動に駆られる。 「葵。その手は何なの」 「······え······? ······あ······」 「······おいたが過ぎるようだ」 「あ·········ごめ、······ッ」 両手を一纏めにされ、胸下に手首を重ねる形に組み直された上に、もう片手に持っていた縄によって、一纏めにされた。 身動きができなくなる。 自由がなくなる不安よりも、新たな興奮を覚えてしまった。

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