8 / 10

8 イクス

なにやら大事なようで準備をしていた。 「どーも初めまして、イクスくんです」 となんとも明るい声が聞こえた。 「イクス殿今回は来てくれて嬉しいよ、よろしく頼むな」 「ええ、クロス様が快楽漬け用の媚薬を製造してこいって言われたので! それに獣人の血液が手に入るなんて絶好なことはないですからね」 多分最後のがこの人の目的だろう。 「で、この子が今回のターゲットですか?」 ぐいっとこちらを覗き込んできた。 僕は今裸に鎖の首輪をつけて立っていた。 「ええ、そうです、お気に召しましたか?」 「んーちょっと痩せすぎじゃないかな? ちゃんと食べさせないとこういう子はすぐに死んじゃうよ」 「申し訳ない」 体を触って確認をした。 「後ろ向いて」 と言われたのでいうことを聞くと 蕾に腕が入った。 「うっ……」 「うひょーすごいね、さすがBタイプの器だね、んーでも結構傷ついているな、長く使いたいのであればメンテナンスも必要だよ」 「さようでございますか」 この人の腕にはカメラがついているのか、それとも本当に分かるのかすごい。 「メンテナンスしてから媚薬は作るね、これだと体に悪影響が出ちゃうから」 「分かりました、イクス殿にお任せします」 「まぁ分かると思うけどざっと1億かな」 「……そ、そんなにですか?」 「当たり前じゃん」 「獣人の血を渡すんだ、値引きくらいしたらどうだ」 と快斗が発言した。 「へぇー君、言うね、いいよ、んじゃ半額にしてあげる」 「だいぶ変わりますね」 「獣人の血液は貴重だからね、それにあの子の弱点だからね」 「では用意しておきます」 「メンテナンスするからみんなは出てってね」 「あ、いえこちらにどうぞ、専用の部屋を用意しております」 移動したのは地下の知らないところだった。 「イクス殿」 一際風が通る廊下を見ていた。 奥まで深い洞窟だった。 「ああ、ここから違法侵入してるんだね」 「内密でお願いしますよ、警察が最近ウロウロしているので」 「もちろん」 真っ白い空間の部屋についた。 大きなカバンをあけて僕とこのイクスって人と2人になった。 「えっと、さっきも言ったけど、僕はイクス、君は?」 「ぼ……僕は南冬馬です」 「ふーん」といいながらこちらに来た。 「君さ、なんでこんなところにずっといるの?」 「弟のためです」 「もったいないな、君もっと高価な物件探した方がいいよ、ここそんなに稼げないでしょ」 「でも……弟の治療費を稼ぐためだけなら」 「あー君自分は犠牲になってもいいタイプの子だ」 と言ってきたのだ。

ともだちにシェアしよう!