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8 イクス
なにやら大事なようで準備をしていた。
「どーも初めまして、イクスくんです」
となんとも明るい声が聞こえた。
「イクス殿今回は来てくれて嬉しいよ、よろしく頼むな」
「ええ、クロス様が快楽漬け用の媚薬を製造してこいって言われたので! それに獣人の血液が手に入るなんて絶好なことはないですからね」
多分最後のがこの人の目的だろう。
「で、この子が今回のターゲットですか?」
ぐいっとこちらを覗き込んできた。
僕は今裸に鎖の首輪をつけて立っていた。
「ええ、そうです、お気に召しましたか?」
「んーちょっと痩せすぎじゃないかな? ちゃんと食べさせないとこういう子はすぐに死んじゃうよ」
「申し訳ない」
体を触って確認をした。
「後ろ向いて」
と言われたのでいうことを聞くと
蕾に腕が入った。
「うっ……」
「うひょーすごいね、さすがBタイプの器だね、んーでも結構傷ついているな、長く使いたいのであればメンテナンスも必要だよ」
「さようでございますか」
この人の腕にはカメラがついているのか、それとも本当に分かるのかすごい。
「メンテナンスしてから媚薬は作るね、これだと体に悪影響が出ちゃうから」
「分かりました、イクス殿にお任せします」
「まぁ分かると思うけどざっと1億かな」
「……そ、そんなにですか?」
「当たり前じゃん」
「獣人の血を渡すんだ、値引きくらいしたらどうだ」
と快斗が発言した。
「へぇー君、言うね、いいよ、んじゃ半額にしてあげる」
「だいぶ変わりますね」
「獣人の血液は貴重だからね、それにあの子の弱点だからね」
「では用意しておきます」
「メンテナンスするからみんなは出てってね」
「あ、いえこちらにどうぞ、専用の部屋を用意しております」
移動したのは地下の知らないところだった。
「イクス殿」
一際風が通る廊下を見ていた。
奥まで深い洞窟だった。
「ああ、ここから違法侵入してるんだね」
「内密でお願いしますよ、警察が最近ウロウロしているので」
「もちろん」
真っ白い空間の部屋についた。
大きなカバンをあけて僕とこのイクスって人と2人になった。
「えっと、さっきも言ったけど、僕はイクス、君は?」
「ぼ……僕は南冬馬です」
「ふーん」といいながらこちらに来た。
「君さ、なんでこんなところにずっといるの?」
「弟のためです」
「もったいないな、君もっと高価な物件探した方がいいよ、ここそんなに稼げないでしょ」
「でも……弟の治療費を稼ぐためだけなら」
「あー君自分は犠牲になってもいいタイプの子だ」
と言ってきたのだ。
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