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第4話
「何やってる、そんな所で。帰りが遅いから心配し……」
うずくまったまま振り向くと、蓮が驚いたように緒兎見つめて立ち尽くしていた。
緒兎よりも頭ひとつ背の高い蓮の、焦茶色の髪と瞳が揺れている。
「どうした、誰かに襲われたのか!?」
「……蓮……ごめん、……もう、もう俺は……!」
駆け寄った蓮の腕に抱き止められながら、緒兎は病院でのいきさつを途切れ途切れに打ち明け始める。
じっと聞いていた蓮は、つらそうに眉間に皺を寄せて緒兎を抱きしめたが、やがて、
「……そうか」
と、それだけを言うと、静かに微笑んだ。
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