潔の首筋には無数の傷跡があった。 酷く冷静になっていた今それはまるで獣が本能のまま噛み付いた跡に見える。 これは俺が付けた傷跡だと思うと、余裕のなさを感じた。 その傷跡を癒やすように、俺は丹念に舐めるように口付けをした。 「ん、……あぁ♡」 いつもより甘ったれた声を発した潔は身を捩った。 そのまま胸に唇を這わせて乳首を吸って甘噛したら、奴の下半身のモノがビクビクと反応した。 「やっやだ♡ひ、……ひどくしろよぉ♡」 こんなにも少しの快感でこんなにも反応するいやらしい身体にしたのが自分だと思うと、酷く抱くなんてできなかった。 そして潔を抱くのはこれで最後だと思うと、優しくしたい。 優しく触れる俺も知ってほしいと思った。 「や、っりん♡……まてって♡イっちゃいそうっ♡」 奴の尻を舐めると奴の汗の味がした。 今はどこもかしこも潔世一が全て愛しくて、きっもこんなに他人を好きになることはないと感じながら、ゆっくりと奴の身体を貫いた。 「ああぁっ♡」 同時に奴の中が締まった、きっと絶頂を迎えたのだろう。 「おねがいっ♡たのむから……♡ひどくしてぇ♡」 奴の甘ったれた声が部屋に響く。 今後この声を聞くことはないのだと思うと、心臓が鷲掴みされたような痛みを感じた。 身体を揺すって、身体のあちこちに口付けを落とす。 今更後悔しても遅い。 遅いと感じる今でも俺はその一言が言葉に出来ない。 俺は潔世一を愛したい。 しかし言えない、俺には無理だ。 「だめぇ……りんっ♡ああぁっ♡」 「くっ……」 俺は潔の最奥で果てたと同時に、俺と奴の関係は終わった。