俺は凛が好きだ。 とても好き過ぎて、一生好きだと言ってもらえない相手だったとしても、それで良いと思っていた。 それなのに俺は欲張りになってしまっていて、今の俺は凛から好きだと言ってもらえない一生を迎えるのは嫌だと思うようになっていた。 どうして俺の心は急に変わってしまったのかというと、それは俺が凛の兄ちゃん糸師冴から好きだと告白されたからだと思う。 凛からもらいたかった言葉を、その兄ちゃんの冴からもらってしまったせいで俺の心は変わってしまった。 冴のことを凛に伝えても、顔色一つ変えることのない奴を俺は好きなんだ、そう思うと俺は不調に見舞われた。 凛は冴を嫌っていたが、それは兄弟愛があるし素直じゃないのも理解していたし、ストライカーとしての俺以外は興味ないのかと思った。 凛は俺を特別視してくれている、じゃなきゃ身体の昂りを鎮めるために肌を重ねたりしないだろう。 それは分かってる。 それでも俺は冴以上には凛から求められることはないと気付いたとき、俺は我に返った。 凛はきっと俺以外の相手と身体を絡める行為はしていたんだろう、じゃなきゃあんなに俺に快感を得ることはないと断言できる気がした。 俺は結局のところ凛に利用されていただけなんだ。 「これで最後にしよう、凛」 最後に交えたエッチは凛らしくないものだった。