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第34話
馬鹿兄貴の言う通り、潔は兄貴と同じチームからのオファーを受けた。
その晩俺は中々寝付けず、同じ寝室で眠るチームメイトの中で潔を見付け近づき見下ろした。
その寝顔は安らかで、奴の寝顔をこうして見る機会がなくなるのかと思うと、胸に痛みを感じた。
「……」
そのときに気付けた自分の気持ち、俺は潔世一を殺したいのではなく、愛したいのだ。
それでも俺はきっと伝えることはできないのだろう。
身を丸くして、俺は潔の唇を奪った。
ただ触れるだけのキス。
奴の唇に触れるのはきっと最後だろうと思うと、寂しさを感じた。
好きだ、潔世一を世界で一番大切に思う。
お前は今でも俺が好きなのか?
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