34 / 37

第34話

馬鹿兄貴の言う通り、潔は兄貴と同じチームからのオファーを受けた。 その晩俺は中々寝付けず、同じ寝室で眠るチームメイトの中で潔を見付け近づき見下ろした。 その寝顔は安らかで、奴の寝顔をこうして見る機会がなくなるのかと思うと、胸に痛みを感じた。 「……」 そのときに気付けた自分の気持ち、俺は潔世一を殺したいのではなく、愛したいのだ。 それでも俺はきっと伝えることはできないのだろう。 身を丸くして、俺は潔の唇を奪った。 ただ触れるだけのキス。 奴の唇に触れるのはきっと最後だろうと思うと、寂しさを感じた。 好きだ、潔世一を世界で一番大切に思う。 お前は今でも俺が好きなのか?

ともだちにシェアしよう!