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夕日ライン

 夕刻になる。空が、ピンクがかったオレンジに染まる。 「ここって、夕日ラインっていうんだよな」 俺は、夕陽の見える場所で車を停めた。 「ああ。恋人同士のドライブに最適そうだね」 俺に続いて車を降りた柳人は、そう答えた。 「よく、来るの?」 柳人は、遠慮がちに聞いた。潮風に柳人の柔らかそうな髪がなびいている。 「初めてだよ。人を乗せたのも初めて」 俺は答えて、夕陽に照らされた柳人の横顔を見つめる。 「こわいな。命がけのドライブだったんだな」 柳人は、穏やかに、笑っていた。それは、まさしく、天国の情景だった。

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