6 / 14
夕日ライン
夕刻になる。空が、ピンクがかったオレンジに染まる。
「ここって、夕日ラインっていうんだよな」
俺は、夕陽の見える場所で車を停めた。
「ああ。恋人同士のドライブに最適そうだね」
俺に続いて車を降りた柳人は、そう答えた。
「よく、来るの?」
柳人は、遠慮がちに聞いた。潮風に柳人の柔らかそうな髪がなびいている。
「初めてだよ。人を乗せたのも初めて」
俺は答えて、夕陽に照らされた柳人の横顔を見つめる。
「こわいな。命がけのドライブだったんだな」
柳人は、穏やかに、笑っていた。それは、まさしく、天国の情景だった。
ともだちにシェアしよう!