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6 神永と峰

ベッドの上で朽ち果てた僕は虚ろな瞳で天井を見上げていた。 「ではそのように……」 神永から峰に話をしているようだ。 「あの……喋ってもいいですか?」 「どうしました?」 峰が近くまで来て 「この白いのってなんですか?」 「……ゴホン、神永様 この子すごくピュアですね」 「峰、優しく丁寧に教えてあげなさい」 「……はい、これはですね『精液』というものです。自慰はしたことが……ありませんか」 「ピュアすぎる子だぞ」 「はい、すみません、説明を戻しますと、性的興奮が極まってくるとペニスの周りの筋肉が律動的に収縮しはじめ、それにより精液は尿道に運ばれていき射精するのです。ですからリクがイキたい時は必ず『イク』と言いながら放出しなさい、そうすると客も喜ぶ」 「精液……射精……イク…分かりました」 「なんなら試したらどうかな?」 「たしかにそういうお客はたくさんいますからね」 「?」 「イってもイっても終わらない地獄ってのがネコにはあるのですよ」 峰の股の間に座り 僕のを握った、そしてそれを上下に扱われた。 「うわぁ!?」 「さきまでへとへとになっていたそれは無理矢理起こされだんだんと勃ちあがってくる、そしてぞわぞわとしてきませんか?」 「ひゃい……はぁはぁ」 峰の顔を見ながら答えると 「なるほど、これは罪深い男になりそうですね」 「ああ、教え込まなくても自然が良さそうだ」 「さてそろそろですね」 「はっ……イク……イクかもしれないです」 「そのようですね、イってもいいですよ」 耳元でそう告げられた瞬間、僕は放出した。 「ああっはぁはぁ……」 「どうでしたか?」 「はぁはぁ……ビクビクって体からなんか抜けたみたいな」 「峰、これ以上感想を言わしたら後の客への楽しみがなくなりそうだ、それまでにしておけ」 「かしこまりました」 峰は黒い手袋を外し新しいのをつけていた。 「では、リク本日はおしまいです、明日から仕事頑張りなさい」 「? はい」 仕事……僕は中学校に行きたいだけなのに、なぜか仕事をさせられるハメになってしまった。 峰が送り届け礼の瓜二つの館長が出てきた。 「やぁお帰りなさい、リクどうでした?」 「えっと顔が似た人がいました」 「そうでしたか、峰さん後はこちらで預かります」 「それでは私は……」 峰は黒い車に再び乗り込み施設を後にした。 ちらちらと雪が降り始めていた。 ……………………そして秋 僕はすでに100人以上の男と体を重ね、いつの間にか自分が自分じゃない日々を送っていた。

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