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8 暗殺者ミライ

そして俺の中に入ってた男も周りにいた数人の男も一瞬で首が飛んだ。 「ちょっ血ついた」 「というか違反ですよ、なにのこのこついていってるんですか」 男は血がついたナイフをハンカチで拭き取っていた。 「のこのこじゃねぇ、ボコられたんだよ」 「とはいえ、仕事が終われば事務所に連絡する、そう伝えていたと思うのですが」 「…………スマホ忘れたんだよ」 「そんなにレイプされたいんですか?」 ずいっとこちらに来た。 「……されたかねぇけど、でもミライさん今度相手してあげましょうか?」 と少し震えた手でミライの肩を掴んだ。 「出来損ないに興味ありませんし、私はEDですのでお役に立たないと思います」 さらっとEDって言ったぞ。 ミライさんは殺し屋らしい。 峰さんにそう聞かせられただけだけど、俺たちには体にGPS打ち込まれてるから何人かいる殺し屋が見張ってるらしい。 「さて帰りますよ」 ドタっと大きな音をだした。 俺の限界はとおにすぎていた。 今日は5人くらい相手してたから。 「まったくよくこんなんで私の相手など務まると思いましたね」 抱き抱え事務所併設の施設に戻った。 施設の窓口で 「リク帰宅しました」 と報告した。 「ご苦労さん、そこ置いておいて」 と言われてベンチに寝かせた。 「お前さん、掃除のほうはマスターしてないんだろ?」 「私にそうしろとご命令があったのか?」 「いんや、峰の旦那がミライはEDだから掃除もいいなってのを聞いただけだ」 「あの方は人の諸事情について他の人に話すのですね」 「いや、俺がたまたま壁越しに聞いただけ」 「それは問題ありなのではないですか?」 「まぁ細けぇことは気にするな」 「場合によっては私もあなたを始末しなければなりません」 「怖い怖い、あ、次のやつ迎え行ってくれ」 「御意」 私は施設を後にした。 ここはおかしい、未成年と思われる少年たちが客を取っていた。 おかしいという意味じゃないな。恐ろしいだ。 とはいえ、私も小さな頃から暗殺としての任務をこなしていたから同じことなのであろう。 しかしさっきの子とは違う反抗的な態度をとるような子もいる。 なりたいわけではない、無理強いをさせられているのだろう。 私には関係ないことだが。 私が所属している組織に多額の支援金が振り込まれた。 そして任務を言い渡された。 施設の可愛い子たちを護衛してほしいと。 ルールその1 客との行為が終わり帰路中に拉致もしくは監禁されるようであれば即刻そのものたちの命を絶つということ ルールその2 可愛い子たちの親密な関係にならないこと ルールその3 神永、峰の命令は絶対であること と言い渡された。 殺し屋として私のように派遣されたのは5人。 1人はルール2を破り 神永という男に殺された。 一般人に殺し屋が殺されることはないと思いたいがあの男はどこか不思議な空気を纏っていた。

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