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12 議長

日本支部 「隊長、先ほどの件ですが」 「ああ、紺野、悪い待たせたな 会議が思った以上に長引いてな」 「いえ、お疲れ様です」 「不法侵入……だったか?」 「いえ、傍聴かと」 「それは許されない事案だな」 「はい、敵は2名 どちらも特殊能力のようで、透明人間になっていたようです」 「なるほど、ということは犯人の目的は侵入か傍聴かだろうな」 「はい、それで氷室隊長が結界に小細工をしていたみたいで今情報部にて追跡をしています」 「分かった、このまま情報部へ向か……」 前から歩いてきたのは大貫だった。 「やぁ花咲隊長、なにか問題でもあったのかな?」 「まとめて報告します」 「そうはいかないな」 と通せんぼうしてきた。 「………紺野悪いが先に情報部に行って一条に話をまとめさせておいてくれ」 「了解しました」 「では、隊長殿、議長がお呼びですよ」 「分かりました」 俺は大貫と共に議長室に向かった。 紺野はすごい形相で睨んでいた。 「そういえば大貫さん聞きましたよ」 「なんです?」 「カロン州のジャンク大統領から大貫さんに任せた任務が全部ドボンしたと、なにか手を下したのですか?」 「ほぉ、私は議長の通りに動いたまでです」 「あそこの国のリーダーはジャンク大統領です、勝手な真似は許されません」 「花咲、君は議長の手の上で踊ってる哀れな隊長なんだ、私に歯向かうということは分かってるだろうな?」 「歯向かうもなにも議長は上に立つ人間ではない」 と言い争ってる間に議長室についた。 「では、どうぞ」 「失礼します」 議長の部屋は思った以上に暗かった。 「花咲隊長いらっしゃい、紅茶は飲むかね?」 「いえ、急ぎ用事がありますので」 「そうか、残念だ」 「あの、部屋が暗いのはなにか原因があるのですか?」 「いや、特に、修理が必要なだけだ」 「そうですか、本題は」 「ああ、そうだった、花咲隊長勝負をしようか」 「勝負ですか、、、」 「ああ、さきほど大貫には議長は上に立つ人間ではないと言ったそうだな」 「耳に入るのがお早いようですね」 「とある人物を追っているとか情報が入ったが、本当かな?」 「ええ、そちらも情報が早いですね、これじゃ情報漏洩していますね」 「情報部には私の直属の部下もいますからね」 「そうでしたか」 「追っている人物を捕まえられたら君の勝ち、そうでない場合は花咲隊長、私の命令配下に下ってもらいますよ」 …………そうきたか。 「その命令配下の期限は?」 「ずっと、というとあなたの部下がお怒りになりそうですからね、数ヶ月にしておきましょう」 「では私が勝った場合は…………」 「お好きなようにしてください」 「では、あなたを日本支部から追放します」 「負けられないようですね」 「ええ、お互い様だと」 と言葉を交わし議長室を後にした。 ふぅー困ったな。 追ってる人物のことを議長は知っているのか? 任務ごとで勝負などしたくはないがあの感じだと裏がありそうだな。

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