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21 大貫
報告書を作成するのにいろいろと資料を読んだが
神永が所有する施設は5県にあった。
こんな大規模なことをしていてなぜ今まで見逃していたんだ?
誰かが手回ししていたとしか考えられない。
やはりルダールの権力が強いのが問題なのだろう。
なのに未だに見つからないというのはおかしい。
コン
隊室の扉がノックされ大貫が入ってきた。
「無事に神永を捕らえたと聞いたが?」
「ええ、情報がお早いですね」
「ということは勝負は花咲隊長の勝ちということになりますね」
「それをわざわざ言いに来たのですか?」
「相変わらず冷たいですね」
残念ながら今は俺と大貫さんしかいない。
「神永の部下にエロいことされたと報告がありましたが大丈夫でしたか?」
「はぁ……大貫さんこちらは仕事中です、あなたもそうなのではないのですか?」
「これも大事な仕事だ、君が傷ついたとなればきっと議長も寂しがる」
「……私には議長が寂しがろうがかんけい…………んんっ!?」
思わず驚いた。
大貫が顎をとりキスをしてきたからだ。
椅子が後ろの壁にぶつかり持っていたペンを落とす。
「んんんっ」
抵抗するもその手をとられ強く握られる。
息をしようと口を開くと舌が入り込み絡ませてきた。
そして粒のようなものが口の中に入った。
口を離され、手で口を押さえてきた。
「ほら、ごっくんして」
飲み込まないように注意するが粒は口の中の熱で溶けていく。
服の上から体を触る。
いい加減にしてほしい。
「はぁーお疲れ様で……す!?」
入ってきたのは紺野と水野だった。
慌てて2人が止めに入り大貫は離れた。
「大貫さんあんた!!」
「なんだね、番犬くん」
「このことは岩崎隊長に報告します」
「ああ、岩崎くんね、はいはいどうぞ」
大貫が出て行き水野は俺の体調を見てくれた。
「大丈夫ですか、、、」
「ああ、2人とも助かったありがとう」
「火照ってますよ、なにか飲まされましたか?」
「ああ。問題ない、すまないが水をくれないか」
「ご用意します」
その時ドゴーンと建物が揺れた。
「なんだ?」
「敵襲?」
「この振動は地下牢からだ」
ふらっと立ち上がり現場に向かうと
「こりゃーおったまげたな…………」
「看守!! どうした?」
「あ、花咲隊長、見てくださいよこれ」
地下牢に向かい看守に話を聞くと
神永が入れられていた牢屋の真下には大きな穴があった。
「ここの建物は神永以外に何人の殺人犯が?」
「えっとですね、7人です」
「神田、情報部の水谷に連絡してGPSで7人の行方と神永の捜索をしろと連絡を」
「了解」
誰がこんなことを、、、。
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