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「初めてってことは、その同級生より俺とのキスの方が気持ちよかったわけだ」  ちゅ、と音を立てて、捕まえた指先にキスを落とす。  どうやら幸人は、自分の置かれた状況が理解出来ていないようだった。  羞恥と困惑のない混ぜになった表情を見て、龍之介の中に嗜虐心が首をもたげる。  快楽に慣れていないその体を好き勝手に暴いたら、どんな反応を見せるのだろうか?  泣くのだろうか? それとも怒る?  想像するだけで口元が緩んでしまうが、今はまだその時ではない。 「安心しな、俺が抜いてやるよ」  少しでも怖がらせれば、この少年は自分から離れて行くだろう。  そうならないように、ゆっくりと焦らず教え込まなければならない。  慈しむように優しく頭を撫でてやれば、幸人が慌てて口を開く。 「い、いいです、放っておけばそのうち治まりますから!」 「遠慮すんなよ。お前は知らないかもしれないが、抜き合いくらい友だち同士で普通にやることなんだぞ? 修学旅行……は参加してないんだったか」  幸人が戸惑いつつもこくりと頷いた。 「いいか? 四泊五日もあればな、見せ合い、抜き合い、オナニー大会は当たり前に行われるもんなんだよ」  もっともらしく語る龍之介に、幸人が驚きの視線を向ける。  まん丸になった瑠璃色の瞳には、疑いの色は一切ない。 「じゃあ、龍之介さんも……?」 「当たり前だ。俺はクラスで一番デカい男だって言われてたんだぞ」  ナニがとは口にしないが、話の流れで言わずとも分かるだろう。  幸人は感心したように龍之介を見ているが、実際のところ学生時代の龍之介に親しい友人はいない。  要するに、口から出まかせである。 「だから、俺に任せとけ」  龍之介が下着に手をかけると、幸人は抵抗らしい抵抗をしなかった。  そのままゆっくりと下ろせば、控えめな大きさのものがぷるんと顔を出す。  先端部分は半分ほど包皮に包まれているが、それは紛うことなき男性器だ。 「……お前、本当に付いてたんだな」 「どういう意味っすか!」  眉をつり上げた幸人が龍之介を睨む。  彼が男であるということは理解していた。  理解していたが、実物を見て改めて実感したのである。  少女とも少年ともとれる綺麗な顔立ちをした幸人が、正真正銘男なのだと。 「お前があんまりかわいいから、もしかしたらと思ってな」 「かわいくない……ひゃっ!」  ゴツゴツした手に包皮を剥き下ろされて、幸人が情けない声を上げた。  露わになった先端は綺麗なピンク色で、性交渉などしたことがないのだろうと窺える。 「ちゃんと皮剥いて洗ってるんだな、偉いぞ」 「ふ、普通のことだから、偉くなんかないです……」  汚れが溜まっていないことを確認され、幸人が恥ずかしそうに手の甲で口元を隠した。  尻すぼみに小さくなった声にクスリと笑うと、龍之介はそれを優しく握り込む。  ゆるゆると上下に扱いてやれば、幸人がギュッと目を瞑った。  快感に耐え、声を出さないように必死で我慢するその姿はいじらしく、もっと虐めてやりたくなる。

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