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「ユキ……もうイキそうだ」 「え」  イキそうという言葉の意味は分かる。  意味は分かるが、どうすればいいのかは分からない。  このまま手を動かし続ければいいのか、それとも何か……もっと激しくするとか、変化を加えた方がいいのだろうか?  そういえば龍之介は、射精の時に汚れないよう手で受け止めてくれていた。  同じことをすればいいのだろうか? でも、どのタイミングで?  頭の中を様々な考えが巡って、どうしたらいいのか分からなくなる。  そんな幸人の顎を掴んで、龍之介が上を向かせた。  なんだろう? と思う間もなく唇を塞がれ、ぬるりと舌が口内に侵入してくる。 「ん……っ!」  舌を絡めとられ、絶頂させるどころではなくなった幸人の手を龍之介の手が包み込み、激しく上下に動かした。  じきに龍之介のモノが脈打ち、熱い飛沫が放たれる。  それは幸人のシャツを汚し、白いしみを作った。 「はぁっ、は……」 「悪い、汚しちまったな」  ようやく幸人を解放した龍之介が、シャツに触れる。  しかし、息も絶え絶えになった幸人の耳には、その言葉は届いていなかった。 「ユキ?」  茹でタコのように真っ赤になった幸人が、仰向けでソファに倒れ込む。 「おい、大丈夫か?」 「だいじょばない……」  ヘロヘロと答えて、幸人が目を閉じた。

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