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第3話
「……」
「あのさーあんたがオレのことどれくらい知ってるか知らないけど、オレバイトしてるんだよね。で、明日は15時から入ってるから外出たいんだけど、そこらへんどう考えてんの?まさか無断欠勤させようとしてる?勘弁してくれよ。オレの信用なくなるじゃん。」
「……」
「もちろん、このことは誰にも言わないし、ちゃんとバイトが終わったら戻ってくるから、22時頃になると思うけど」
「…分りました。大丈夫です」
「……いいのかよ、あー逃げたら顔知らないから殺されるんだっけ」
「…いえ、さっき嘘は言わないって言ってたから」
「…まー嘘は本当に嫌いだから。つくのもつかれるのも、、信じてもいいのか?」
「信じてみたいと思います」
「ふーん…他に何か聞きたいこととかないの?」
「…好きな食べ物はありますか?」
「特に好き嫌いはないかなー。あーでも、さっきのチャーハンは美味しかった。料理上手いんだな。あんたは?てか、ずっとあんたでいいの?」
「あ、オレのことはしシンと呼んでください」
「年は?」
「タメです」
「じゃあタメ口でいいじゃん、シンもタメ口なオレのことは潤って呼んで」
「うん、、」
何でシンと関わろうと思ったのか自分でもわからないけど何となく面白そうだったから、こんなふざけたことをされて、やり返す気持ちがなかったとは言わないが殺すと言ってるわりには優しいよな…
「て言うかさ、こんな嫌われるようなことしてまでオレとセックスしたいの?好きなら普通に告ってくれればちゃんと考えるのに」
「ちゃんと考えてくれたとしても男同士だし…どうせ付き合えないなら一度だけでも好きな人とセックスしたかったから…」
「オレのどこ見て好きになったの?オレは相手が男でも真剣に告ってくれたら真剣に考える奴なんだけど」
「それはそうだろうなと思ってる…だけど…」
「そんなに自信ないんだ?」
「自信なんてないよ…潤の周りにはいつも人がいたし、、本当は遠くから潤のこと見てるだけでよかったんだ。だけど、昨日潤が酔い潰れてて…チャンスだと思った」
「ふーん、てか、それて…同じ大学ってこと?」
「あ...」
「はは、墓穴掘ったな」
「……」
「てかさ、ここさオレの家だよな?今日の夜泊まるの?」
「あ、そうさせてもらっていい?」
「ははおもしろー。シン、ストーカーだろ?もっと強気で来てもいいと思うけど、それがシンならしょうがないか」
どんどんオレのペースになってるの気づいてんのかな?シン…おもしれー。
夜は作ってくれたご飯を食べさせてもらって、風呂に入って寝た。遠慮して床で寝るって言うシンを半ば強引に同じベットにあげ一緒に寝た。目隠しはしたままだけど逃げないと約束してシンとは反対側を向いて寝た。オレの背中に少しだけくっついて寝るシンを少しだけ、ほんの少しだけ可愛い奴と思ってしまったことは絶対に教えない。
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