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第11話
バイトが終わってから帰るとシンがいた。
「ただいま」
「おかえり、潤。ご飯出来てるよ」
「あぁ、ありがとう。食べようかな」
「分かった準備するからその間にお風呂入ってきたら?」
「うん、わかった」
シャワーを終えてご飯食べてから一息つくと、待ってましたと大型犬は後ろに回ってきた。
スンスン
「シン、本当匂い嗅ぐの好きな。シャワー上がりだからいいけど普段は恥ずかしいから止めろよ?」
「嫌だ。潤の匂い嗅ぐと落ち着くから」
「落ち着くだけ?」
「え?どどどう言う意味?」
「ははは。何でもないよ」
力を抜いてシンにもたれるとシンはさらに力を入れてギュッとしてくる。
腰あたりな何か当たってる気がするけど、まぁいっか…
「今日はお客さん多くて動き回ったからちょっと疲れた」
「今日はもう寝ようか…」
「うん、シンは泊まる?」
「うん」
「じゃあ寝ようか」
シンに腕枕をしてくっついて横になった。こんなふうに向かい合って寝るのは新鮮で、それでいて幸せな気持ちでいた。
「シン、髪の毛思い切ったよな、本当によく似合ってる。ケンジが言ってたようにファンができちゃうかもな。」
「そんなことないよ、でももし、そうなったらまた髪伸ばすかも…」
「あぁ、どっちでもいいよ。だけど、オレにはちゃんと顔見せてな?」
「うん」
潤は眠気がピークになってシンのおでこにキスをして寝た。その時、シンが一人で真っ赤になって緊張してなかなか眠れなかったことは潤には分らない。
同じような日常を繰り返しているが、最近シンの様子がソワソワしてるような気がする。
「なぁ、シン?何か最近変じゃないか?何かソワソワしてるつーか…何かあったか?」
「え?そんなことないよっ、べべ別に」
「あるじゃん。何があったか言え」
「いや、べべべ別になな何でもないって」
一度立って、後ろにいるシンの後ろに入り込む。後ろからギュッと抱きしめて何があったか問い詰める。
「なぁ、これだけ一緒にいるのに何も気づかないと思う?それは、オレを甘く見てるわ」
「そんなことはっない…」
「思ってることは言ってくれる約束だろ?」
「…うん。だけど恥ずかしくて言えない!」
「何だよ、、分かった。また目隠ししようか?オレは見えてないから恥ずかしいのも軽減されるだろ?」
「え…うん。それはそうだけど絶対言わないとダメ?」
「言わないのが癖になられても困る。どんなに恥ずかしくてもちゃんと言えるように頑張んな」
「…うん」
「はい。目隠ししたよ。言って?」
「…………キス、、したい」
とっても小さな声で言った。今、どんな顔してるのか見たくて目隠しを取る。目隠しを取るオレに慌た勢いで向かい合う。
「やだ、目隠し取らないで…」
「シン。待ってた。オレもキスしたい。シンからして」
「えっえっオレからって、、分かんない〜」
「とりあえず、したいところにしてみて。どこでもいいから」
しばらく沈黙が続いたがオレの手を取って甲にキスした。目が合うと恥ずかしそうに真っ赤にして、ふにゃっと笑う。オレも真似してシンの手の甲にキスをした。次はオレからと言わんばかりに反対の手の甲にキスをするとシンが真似をしてオレの反対の手の甲にキスをする。とても緊張しているのが触れてる手から伝わってくる。一度シンの手を引いて抱きしめた。
「オレはシンのものだろ?シンのしたいようにしていいよ」
「……」
無言でギューっとしたかと思ったら離れて目と目が合う。緊張で指先が震えているが、オレの頬に手を置き唇にキスをする。前にオレがしたような一瞬の事だったがシンは照れ笑いをしていた。その後、オレからも同じようにシンの唇にキスをして見つめあって笑った。
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