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第15話
来週から夏休み。この週末はケンジが変わってくれて連休だ。連休が終わればバイト漬けだ。シンに何度か無視されながらも連絡をして明日会うことになっている。冷静に話ができればいいけど…
「ん?…シン…またやったな…」
「……」
夜中に合鍵で入ってきたシンに気づかず爆睡してた…初めてシンに出会った時のようにベットに手足が拘束されて目隠しもされてた。口だけは何もされてなかったけど…オレのバカヤロー…
「シン」
「……」
「シン?いるんだろ?」
「…もう離さない…」
「…お前こえーよ」
「オレ本気だから。もう誰にも触らせない」
「シン…ちゃんと話そ?」
「嫌だ」
「シン本当にこのままでいいのか?」
「いい。潤の気持ちは関係ない」
「……」
「……」
「お前酷いこと言うんだな…もういいよ。好きにしたらいい。その代わり…こんな事するお前には絶対にオレの気持ちはやらねー」
「……っ」
泣いてんだろーな…。こんな事してるシンが一番辛くなってるのは分かってる。さぁーどうするかな…好きにしたらいいって言ったけど明後日の夕方にはバイトが始まる。次の日からは朝から一日中だ。今日明日でどうにかしなきゃ…とりあえず、シンの出方を待つか…
!!やばっ!寝てた!、、まぁいっか。
今何時だろ?まだ午前中かな?
少しお腹空いたし、喉も乾いた。
「なぁ、シン。オレ喉乾いたんだけど」
「……」
「!!!!ゴクッ、、ゴホゴホッ、、いきなり何すんだよ!」
急に口移しで水を飲ませてきた。びっくりして気管に入ってむせる。
「喉乾いたって言ったから」
「にしても!やり方があるだろ!せめて声くらいかけろよ!こっちは見えてねーんだから!」
「…ごめん」
「てか、目隠し外せよ」
「…ダメ」
「何でだよ!もうお前のこと知ってるから目隠しの意味ないだろ!」
「それでもダメだって」
「だから何でだよ!」
「目合わせると決めたことが出来なくなる」
「何だよ、決めたことって」
「潤を誰にも触らせない。オレだけのものにする。大体最初から潤を自由にするべきじゃなかったんだ。自由にせずずっとこうしてたらあんな思いしなかった」
「お前…ここ数日連絡しても無視してたくせに、そんな事考えていたのかよ」
「そうだよ。どうしたら潤がオレだけのものになるか考えてた。もう前みたいな失敗はしない」
「何だよそれ…」
「そう言うことだから」
「…じゃあ飲み物とかいらない。今のお前と間違っても口つけたくねーし、口移しとかありえない」
「……」
「トイレはどうしたらいい?ここでしていいのか?」
「待って」
待ってと言って足の拘束と目隠しを外し、手の拘束も一度は外されたが左右の親指を拘束しようとするから慌てて大がしたいと言うとそのままにしてくれた。いつも枕の下に携帯を置いていたのはシンも知っていることだけどこの今の現状に忘れてるんだろう。シンにバレないように立つ瞬間に携帯をポケットに入れた。そして唯一手と足と目が自由になる携帯をトイレに隠してきた。
お互いに何も話さず沈黙だった。
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