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第24話
「未来永劫、このまま寝ていろ!!」
その石の先で一つ目を突き刺した。
まるでゼリーのような固くドロッとした血をだくだくと流し、巨大な目玉が生の灯火を失い、動かなくなった。
これで、ようやく倒した……のだろうか。
「ど、どういうこと……? 目を狙うにしても、ノートゥングで刺した方が効果的だったんじゃ」
「いいや。ヴォータン様の伝承では、ゴリアテの最大の弱点は剣でも拳でもなく、こんなただの石ころを目玉に狙って投げたり直接刺し貫いたりすることだったらしいのだ。一か八か俺もやってみたが……本当だったようだな」
しかし、あんな規格外の化け物を相手にしたのだ。
さすがのファングも大変な負荷がかかっていることだろう。怪我もしているし、早く隠れ家に運ばなくては。
達成感と疲労から大きく息を吐き、ファングはその場に倒れるようにして座り込んでしまった。
ただ……そもそも今回ここに来た目的は何だったか? あんなにも凄まじい敵が現れたので、二人とも一時忘れていたけれど。
「はぁっ……はぁっ……く……痛っ……はぁ……。そ、そうだっ、ゴブリンは!?」
そもそもファングと正面から戦うなんて無茶、並の知識がある怪物ではしないだろう。
しかもローゲは頭が切れる。
「一族の恨み、ここで晴らしてやるぞジークフリート!!」
ゴリアテ戦で満身創痍のファングを、卑怯にも背後から素早く襲おうと草むらから飛び出てきた、が……。
「ファングは殺させない……ファングは……バルドが守るっ!!」
フンッ! とありったけの力を込めて両腕を振り下ろすと、ローゲが地面ごと掘削されるほどグチャグチャに潰れ、放射線上に血液と体液が飛び散った。
その形すら、何者だったのかももう見分けがつかない、むごい有様だった。
「ぁ、あ……」
バルドは自分の手のひらを見つめる。
少しでも村民を喜ばせるためにと使っていた清い手に、死の、それも先まで生き物──だったものの証拠がべっとりと染みついている。
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