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第35話※

 遂に根元まで侵入した瞬間、味わったことのない快感の衝撃に、ファングがカッと目を剥いた。  人間が意識を保っているのすら不思議なくらいの大きさと深さなのに、ファングは並の人間より屈強な身体だからか、ただ催淫剤で痛みを感じないのか、より淫らに求めてくる。 「おっほぉおおおおおっ♡♡ 激しすぎるっ、結腸までズボズボぎだあ゛っ♡ もっともっと動いてくれぇっ♡ ケツマン壊れるっ、バルドのチンポで壊されるなら本望だっ♡」  バルドが突き上げるたび、ファングの鍛え上げられた腹筋に太すぎる先端が、包帯越しにすらボコッと浮かんで見える。 「お、おおお゛なかにまでっ、ぎでるゔ……♡ 人間じゃ味わえない異種チンポで全身ファックされてるっ♡ こんなの孕むっ、できないはずの赤子……孕んでしまううう♡♡」  根元から先端まで長いストロークで、ファングの肛内をゴリゴリと擦り上げる。  ファングが快感のあまり力が抜けそうになっても、しっかりと抱き止めて、オスとしての交尾を最後まで終えるべく腰の動きを速くしていく。  バルドももう限界だった。今のファングのことは、もう卑猥な目でしか見ることができない。  呼吸さえも激しくなっていき、その吐息がまたファングに伝わって、彼をさらなる快楽へと導く。  もっと肌を重ねたい。ファングを独り占めしたい。  彼のまだ知らぬところを、自分だけが知っていたい。  無理だとわかっていても、この人間に子種を植え付けたい。自分の子孫を増やしたい。  でもそれは、決して怪物としての考えではなく。  人と同じ、愛し合う者の感情に他ならなかった。 「ファング……も……無理っ。ファングがすごく……いやらしくて、気持ち良すぎてっ、で、出ちゃい、そう……!」 「ああっ♡ 俺の中に出したくてたまらなくてチンポさらに膨らんでるのわかるっ♡ いいぞっ、そのまま出せっ、キンタマが空になるくらいっ、全部俺の中にオーク子種出せぇっ♡ あああああ゛〜〜ッ♡♡」  絶頂を迎えたバルドが、ファングの腹すら膨らむくらいに直腸内に大量の白濁を放出している間、ファングも獣じみた嬌声を上げながらビクビク肢体を痙攣させて吐精していた。  身体を下ろしてやりながらゆっくりペニスを引き抜くと、ブボッと空気音と共に中に出したものが用を足すかのように勢いをつけて飛び出す。 「は……はひ……す、ごすぎりゅぅ……熱いザーメンビュルビュル溢れてる……♡ あぁ、あん♡ 止まらないぃぃ……♡ こんなの病みつきになるだろぉ、バルド……♡」  初めてであまりにも激しい性交をしたからか、ファングはそのまま気絶同然に眠りについた。  ファングから誘ってきて、半ば強引にそうした行為に走った訳だけれども、改めて……。  どうしよう……オークの分際で騎士様と肉体関係を結んでしまった……しかもいくらオス同士とはいえ純潔を奪い、まだぽっかり開いた尻穴から垂れ流しているくらいに大量中出しまで……。  少しでも掻き出してやろうかとゆっくり指の一本を挿れてみると、意識はないのにピクリ、ピクリと下半身が動く。ちょっと怖くてそれ以上はやめた。  また意識が戻ったら二人で身を清めることにしよう……。それに、腹も減っているだろうし。  寒くないよう布をかけてやりながら、ひとまずは料理支度をしてファングが起きるのを待っていることにしたバルドであった。

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