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再開③

あれからもう3年。 始業式が終わり、クラス内では新しいクラスに馴染もうと生徒同士での交流が行われていた。 皆が少し緊張しながらも、これから始まる新学期に心を弾ませている中ーー 「⋯⋯どうしよう⋯。」 碧央は保健室で青ざめた顔で机に突っ伏していた。 「ど、どうして臣くんがこの学校に⋯。」 現在臣はイギリスにいるはずだ、なのになぜ日本の高校に⋯? まさか見間違い⋯?⋯いや、あんな目立つ容姿をしている人を見間違えるはずがない。 あれは正真正銘間違いなく、3年前あの日、酷い別れをしてしまったあの臣なのだ。 あんなに傷つけちゃったんだから、臣くんは僕のこと恨んでるだろうな⋯と碧央はあの日のことを後悔してまた机に突っ伏した。 「⋯とりあえず、なるべく関わらないようにしないと⋯」 そう決心したその時だった。 「誰と関わらないようにするの?」 「え⋯」 低く、優しい声。あの日まで毎日のように聞いていたこの声に碧央は反射的に振り返った。 「な、なんで⋯」 「⋯久しぶり。碧央。」 碧央が会いたくて、でも会いたくなかった人物がそこに立っていた。 「さ、相良くん⋯なんで⋯」 「ちゃんとノックして入ったよ?⋯でも碧央気づかなかったから、勝手に入った」 「⋯そういうことじゃなくて⋯」 「⋯⋯ああ、なんで今イギリスじゃなくて日本にいるのかって?」 「⋯⋯」 碧央が頷くと、臣はこちらへ向かってきながら話し始めた。 「俺、3年前のあの日のことすごく後悔してる。 ⋯碧央から恋人がいるって言われて頭真っ白でなにも考えられなかったけど、家に帰ったら思った。⋯碧央にその気がなくても無理矢理自分のものにすればいいんだって。」 「え⋯?どういう⋯」 「もう決めた。何がなんでも碧央は俺のもんにする。碧央に恋人がいようといまいと関係ない。」 臣が話終わる頃には、いつの間にか碧央は机と臣の腕の間に収まっていた。 「さ、相良くん近っ⋯⋯!?」 近いよと言おうとした碧央の唇は、臣によって塞がれていた。 「んっ⋯んんぅっ⋯」 突然降ってきた臣の唇に、碧央は戸惑うことしか出来なかった。 その碧央の反応を見た臣は隙を見て自身の舌を入れる。 「んんっ⋯やぁ⋯さ、らく⋯っ」 「はっ⋯前みたいに臣くんって呼んでよ碧央⋯」 碧央は両手で必死に抵抗するが、碧央の口の中でまるで生き物のように動いている臣の舌に翻弄され、力が入らず思考も呼吸も全て奪われていた。 碧央の抵抗しようとした腕はただ臣のシャツに縋っているようになってしまっていて、その碧央の姿に臣の興奮もさらに加速していく。 「おみくんっ⋯くる、し⋯」 「ん、もうちょっと頑張って」 「あっ、う⋯ふぅぅっ⋯」 「あー⋯やばい⋯」 ―――――――――― 「ふぁっ⋯けほっ、けほっ⋯はぁ⋯」 臣のキスからやっと解放されたが、呼吸がなかなか整わず臣にしばらく体を預けていた。 碧央の呼吸が整ってきた頃、再び臣が話し始める。 「ごめん、苦しかったよな」 「だ、大丈夫⋯」 碧央のことを心配そうに見つめてくる臣の顔を改めて近くで見ると、こんな整った顔をした男とキスをしてしまったのか再確認し、顔が熱くなっていく。 「ふっ⋯照れてんの可愛い」 「っ⋯⋯!⋯可愛いって⋯僕は臣くんの教師になったんだから、もうからかわないで⋯」 「からかってなんかない。俺これから碧央のこと、全力で落としにいくから」 「なっ⋯!?」 「覚悟してて。」 そう言って臣は保健室を後にした。 「う、嘘でしょ⋯」

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