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第13話 いつもはどうなの?

 ……可愛いしかねーって。  颯がオレに、可愛いしかねーって。  つか、なんか、颯って、「可愛い」とかいう単語、口にするんだ。意外。  クールなイケメンって皆が言ってて。  何がクールだよ、かっこつけすぎなんだよ。……とか思っていたオレなのだけれど。  まあ、なんか。涼し気、て言葉がぴったりくる顔ではあると密かに思ってはいた。暑苦しいとかいう表現とは、対極にいる感じの雰囲気。汗すらかかなそう。体温、低そう。とか。そんなイメージ。  ……でもなんか。  抱かれてると、めちゃくちゃ体熱いし、手も熱くて気持ちいいし。  汗ばんでるの。色気がすごすぎるし。  声も熱をはらんで、なんかエロすぎるし。  ……可愛いとか、言ってくれちゃうし。キスも、めちゃくちゃ、甘く、感じる。  思い出しただけで、ゾクリと、体の奥が、震える。  うわ、ヤバい……また、抱かれたいフェロモン、漏れ出ちゃいそう。ぎゅ、と瞳を伏せると。 「慧……」  なんか笑いを含んだ、颯の声がして、唇が、また重なってきた。 「続き、しよ」  言われて、期待に体が反応する。もうこれ、どうしようもなさそう。 「な……なあ、颯……?」 「ん?」  ちゅ、と首筋にキスされて、びく、と震えながら、颯を見上げた。 「αとΩって、いっつもこんな風になるの? なんか、ヤバいね……」  ああ、なんか。また、抱かれたくなってるし。  いままでだって、どんだけシてたんだって感じなのに。早く、繋がりたい、とか。  ……ていうかオレ、初めてなのに、もう、乱れまくりだし。  恥ずかしいとか、言ってられない。もう、ほんとに気持ちよくて。  ほんとヤバいぞ、この体。  颯の手が頬に触れる。手。熱い。ほんとに体温高いなー、颯……。 「いつもじゃない」 「……ん?」 「いつもは、ならない」 「……? なんないの?」 「こんな風になったこと、ない」  言いながらキスされて、また言葉を奪われた。  いつもはなんないのか。  ……? いつもならないなら、いつもはどうなの、颯。  聞きたいけど、また始まってしまった行為に、すぐに喘ぐ以外できなくなって。  ……またあとで聞こ、と思いながら、颯のキスに、頑張って応えた。

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