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第14話 颯の抱き方 ※
こういうこと、初めてだけど。
他の誰とも比べられないんだけど。
ましてやオレ、抱かれる方なんかで考えたこと無いし。
ずっとαとして、抱く方のつもりだったし。
だから、抱かれる方として、の自分なんて。
もうびっくりすぎて、正直意味わかんないんだけど。
「……はやて……」
颯の、抱き方は。
――――……好き、だ。
たまにちょっと荒っぽい。……というのか。男っぽいけど。
でも。
……ずっと、気持ちいい。
キスしてほしいと思った時に、キスしてくれる。
快感が強すぎて、しがみつきたい時には、抱き寄せてくれる。
颯が気持ちよくなるには、もっと、激しくしてもいいんじゃないかなって、思うんだけど。
最大限で、オレが気持ちいいようにしてくれてる気がする……。
「……っ颯……」
緩く突かれて、んん、とその快感を追う。
「慧」
キスされる。舌が、絡む。視線が絡むと、とくん、と胸が弾む。
ああ、なんか。
さっきから、ずっと、颯にドキドキする。
「……っはー。お前……」
颯がたまに、きつそうに眉を歪めるの。
色っぽくて、すごい好き。かも。
「……ヤバいな……ずっと、できそう……」
熱い息で囁いて、オレの上に、ずし、と覆いかぶさってきて、ちゅ、と頬にキスされる。
きゅん、と胸が締め付けられると、自然と、颯のことも、ぎゅ、と締め付けてしまう。
「……はや、て……?」
「ん?」
「……気持ちよすぎて、こわいん、だけど……これ、ずーっと、続くのかな?」
「――――……」
なんか、中で颯のが反応して、ぐ、と奥を突かれる。
「……っっだか、ら……もう、こわいってば……んんんーー……っ!」
もう、最後の方、キスされながら、文句。
中、グリグリされて、ブルブル首を振る。
「んあ、ンっ……やだ、てば……っ」
「馬鹿なの、お前……ヤバいって言ってんのに……」
「……っ馬鹿、て、ひどい……っっ」
馬鹿にしてないって言ったのにー。
涙目で、真上の颯を睨むと、一瞬黙った颯が、ため息。
「違うっつの…… これ以上可愛いこと言うなって言ってンだよ」
「……んん……っ……」
……今の、何が、どれが、可愛かったんだ。
全然分からないけど。
「これ終わったら、何か作ってくる。寝てていいから」
「……っ」
なんか作れるの? 颯。
……料理なんか一切しなそうに見えるのに……。
と、一瞬よぎるけど。
言えない。
深く突きあげられて、唇を奪われて、あっという間にイきそうになったオレは、また颯に翻弄されるしかなかった。
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