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第19話 成功率。※

 キスされながら、考えてた。  番って。どうしたらなれるんだっけ。  ヒートの時に、繋がって噛む。でも、番になれる成功率って、3割だか4割だかって言ってたような。オレのヒートって、初めてのこれ、不安定じゃないかな。失敗しちゃうかも……?  甘い甘い、ゆっくりなキスに、なのに、颯を好きって想う気持ちがどんどん増してく。 「……きょう、は、かまない……?」 「病院行ってからの方がいい気がする。ちゃんと、番になりたいから」  考えてること、一緒だと、思う。  ……そうだよね、失敗する可能性も結構あるもんね。と思いながら。  ちゃんと番になりたい、と言ってくれた颯に、気持ちの奥が、ときめく。  ……つい数時間前まで、あまり絡まなくなった、ライバルのαだったのに。  体の変化もびっくりだけど、気持ちの変化の方が、びっくりな気がする。 「あーでも……」  ちゅ、とキスされながら。 「早く、オレのにしたいな……」  キスされて、優しく中を突かれて、そんな風に言われると。  颯が好きって、感情が、激しい波みたいに沸き起こる。  ああ、なんか……さっきからヤバいしか、出てこないけど。  本当に、ヤバいな、これ。  熱い手が背中を支えて、そのまま枕の上に倒されて、また覆いかぶさるみたいに上に颯。  死ぬほどドキドキして、見上げてると。 「慧」  ふ、と笑んだ颯が、またキスしてきて。  深く突きあげられる。  繋がって、中に受け止めて、また、そのまま続く。  颯の匂いが、どんどんきつくなってく。甘いけど爽やかな匂いが強すぎて、もう、頭おかしくなりそうで。  何度も名前を呼ばれて、そのたびに、熱くなる。 「……はや、て……ん、ン ……っ」 「っは。やば、お前……」    ちょっとキツそうに眉を寄せるのが、色っぽくて、すごい好き。  荒い息のキスが重なると、体の奥の方が、めちゃくちゃ疼く。  病院に行ってから……オレもそれがいいのかなとは思う。  下がこんなに濡れて、αの颯に応えるみたいにフェロモンまき散らしてる時点で、オレはもう、Ωになってるのは疑いようもないけど。  でも、体がどうなってるのか良く分かんないし、中途半端な状態で、番になろうと噛まれて失敗しちゃうのもいやだし。  なのに、熱い手に触れられて、抱かれ続けて、熱っぽく名前を呼ばれていると。  早く、という気持ちがどんどん大きく、膨らんでいく。  

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