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第123話 お説教?タイム

 授業が終わったと同時に、三人が立ち上がり、ほら行くぞ、と連行された。  いつもの学食じゃなくて、学校の敷地からちょっと出た所にある喫茶店に。  すれ違う友達と目が合って話そうとすると、昴たちが、ごめん今急いでる、とか言って、邪魔されるし。むむむ。  それでまっすぐ来て、一番奥まった四人席に座る。 「で?」  昴の一言。 「……何。もう。怖いし」 「怖いしじゃねーし。何してきた訳ってああ、いい、詳しく言わなくていい。ほんとは何しに行ったんだよ?」 「……えーと。あ。颯にごめんねって言いに行った」 「何を?」 「オレ、匂いとかつけられちゃって嫌だったよねと思って。あと、オレにつけたことも気にしてるかもって思ったから」  そう言うと、三人は、ちょっと表情柔らかくなり。  でも昴は、「で、なんであんな感じで戻ってくるわけ。ごめんだけで終わってないだろ」と、続けてくる。 「なんかオレが謝る前に、颯が、勝手につけて怒ってるよな、みたいなこと言うから……」 「だから?」 「……そしたら、なんか咄嗟に、好きって、言っちゃって」  隠してもしょうがないと思って、そう言ったのだけれど、三人は、まじまじとオレを見つめる。 「……ようやく言ったって感じ?」  誠がなんだか苦笑しながら聞いてくる。 「……うん。初めて言った」  そう答えると、三人皆が、はー、と息をつきながら、皆一緒に頬杖をついた。 「慧のアホ」 「それなー」 「ほんとそれ」  昴と誠と健人に、苦笑いで言われて、むむ、と眉が寄る。 「なんだよー! つか、肘つくタイミングが三人一緒になるとか、そんなのある? もーなんなんだよー」  オレが言うと、誠は、ははっと笑う。 「今一緒にそういう気分になったんだよ。分かる? なんか力抜けたの」  そう言いながら、誠は肘をつくのをやめて、テーブルの端にあるメニューを手に取った。 「注文しちゃお」  言いながら、皆の前にメニューを広げてくると、健人も「脱力するよな……」と言いながら、体を起こした。  昴だけは、まだ肘をついたまま、ため息。 「……慧、ちょっと考えてみろよ」 「……何を??」 「自分の匂いつけてる番が、急いで自分に会いに来て、今まで言えなかった好きを、そんなとこで言うとかしたら、どーなると思うんだよ」 「……好き、言うつもりなかったんだけど……颯が、怒ってる?なんて聞くから、オレが怒る訳ないじゃん、て思って。オレも自分が言ってびっくりしたし。颯もびっくりしてたけど……」 「ああ、あんまり考えなかったから、やっと言えた訳な。まあ、分からなくはない」  健人がそんな風に言って、クスクス笑いながら、誠と一緒にメニューを見てる。  ため息の昴が、オレを見つめてくる。 「で、実際どうなったわけ」 「どうって……」  えっと。……めちゃくちゃキスされた……。  かぁぁぁ。と赤くなると、昴が、またまたおっきなため息をつきながら、頬杖を解いて、オレをまっすぐ見つめた。

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