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第147話 熱に溶かされる※

 帰ったらすぐ、て言葉は、ほんとだった。  ……でも、オレも、そうしたかったから、食べて帰ろうって言ったし。  一緒にシャワーを浴びるとバスローブに包まれた。水を持たされてベッドへ。水を飲んでペットボトルの蓋を閉めたら、それを受け取った颯が、ベッドの下に置いて、そのままオレの手首を掴んだ。  ぼんやりと綺麗なルームライトに照らされる颯の顔を見つめる。  こういう時の颯は、いつも。αだなあって……思う。  瞳に、強い熱を感じて、それだけで、ぞくりと体の奥が反応する。 「慧……」  シャワーを浴びながら何度も深くキスされて、熱が体の奥にくすぶってるみたいで。抱き寄せられただけで、ぞくん、と震えた。すぐに唇が深く重なってきて、熱い舌が絡む。 「……ふ――――……ん、ン……」  キスだけで、溶けそう。唇が重なってるとこ。舌が絡んで。熱くて。あっという間に息が上がる。いつの間にかベッドに押し倒されていて、背中には枕。颯の手が、バスローブの隙間から、胸に這う。 「ン」  乳首に触れられて少し引いた唇に、また深くキスされる。  色んなとこ触られるとの、恥ずかしくて、頭、おかしくなりそう。  いっつも、そう思う。  縋るように、颯のバスローブを握り締める。近づいてる颯の心臓も速い。ドクドクしてるの、伝わってきて、余計オレも熱くなる。  めいっぱいキスされた後、颯の唇が首にうつる。 「……っ」  びく、と震えるの、どうしようもない。 「……ぁ……っ」  首筋も、胸も触れられてると、気持ちよくて。  強く、オレのフェロモンが香るのが分かる。  なんかもうこれ……分かりやすすぎて、恥ずかしいけど――――……。 「慧……」  すぐに反応して、颯からも、感じる。  運命の番って……めったにないって……詳しいこと、あんまり分かんないとか、言われてるけど……。  オレなんかもっと、全然良く分かんないけど。    颯のことが、好きで好きで好きで好きでたまんなくて。  ……フェロモンだけで――――……ほんとヤバくて。   「……っはやて……も、シて」 「――まだ」 「だいじょぶ……はやく……」  まだ下、何も触れられてない。多分、慣らしてないとか、颯は言いたかったのだと思うけど。オレがそう言うと、颯は、その指を、下に――――……。 「んん、ん、……あっ……」  中に指を入れられただけで、感じすぎて、やばくて。 「……熱すぎ、中」  くす、と笑う颯の声が、熱っぽくて。  声だけで、イきそう……。  中を解すみたいに動かされると、中、めちゃくちゃ濡れてて。  耳に届く水音に、羞恥が抑えられない。 「……っ……は、やく……颯……」 「――――……」  慣らすように動かされて、ビクン、と震えたオレは、もうなんか、すでに世界が白くて。なんか今……イっちゃったかも……。  ぼんやりしてる中。颯がオレの脚を開かせる。 「……ッ……」  入口にあてがわれて、息を止める。  力が入ってたオレの頬に颯の手が触れて、唇を指でなぞる。 「息、とめるなよ」 「……ん、ん」  頷いて、ふ、と息を吐くと、唇が深く重なってくると同時に、中に入れられる。 「……んん、んっ……!!」  ――――……また、目の前、真っ白。きつく目を閉じた。 「……っんぅ、…… あ……ッふ……」  ぎゅう、と颯にしがみついて、必死でキスに応える。  緩く腰を動かされて、ただただ、気持ちいいしか、ない。 「っ……慧」  颯の息も熱いし、手も熱い。中にいる颯も、硬くて熱くて。中を擦られると気持ちよすぎる。溢れた涙に苦笑して、颯が舐めとってくれる。 「……すき……颯……」  言ったら、またキスされて、深く突きあげられる。自分の意志なんかもう全然役に立たなくて、颯の与えてくれる快感に、ただ声があがる。  激しい動きに、もう颯のなすがままだけど。  それが、こんなに幸せとか。  もう、意味、わかんないなぁ……。 「はや、て……」  ぎゅう、と抱きついて、キスに応える。  一瞬一瞬、気持ちいいの最大を更新してくみたいで。  お互いがお互いだけに、溺れてくみたいで。  熱に溶かされてくみたいに、抱き合った。  

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