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【第ニ章 溺れればよかった、その愛に】約束はきっと儚い(14)

 頭を固定され、アルフォンスは身を強張らせた。  カインの顔が近付いてきているのか、己から寄せていっているのか分からない。  熱く湿った唇がアルフォンスのそれをついばむ。 「はぁっ……」  離れては、また求める。  何度も重なり合う唇。  互いの頭を掻き抱くように交わすくちづけに溺れてしまう。 「愛してる、アルフォンス」  唇をこじ開けて挿ってきた舌を、アルフォンスは初めて受け入れた。  上顎を嬲る熱いものを舌先で舐め、絡め合う。  激しい呼吸も唾液もすべてが混ざり合い、ああ……これが愛なのかと勘違いしそうになる。  ふたりは抱きあいながら寝台に倒れ込んだ。  身体に圧しかかるカインの重み。  アルフォンスは己の腹が、奥の方から震え出す感覚に吐息を漏らす。 「だめ……しんじない。愛なんていわれても、俺は……」

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