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【第ニ章 溺れればよかった、その愛に】約束はきっと儚い(18)

     ※  ※  ※  充たされた眠りから、やがてアルフォンスは独り目覚めることになる。  傍らに黒衣の青年はいなかった。  ただ、枕元には黄金色のペンダントが。  わざと置いて行ったのだと悟り、小さな花を手に取る。  約束という言葉が蘇った。 「ふっ……」  低い笑い声が漏れる。  そんなの儚いだけの約束だ。  この状況で、愛なんて得体の知れないものにすがってたまるか、と。  手の中の黄金の花からはカインのぬくもりは消えていた。

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