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第37話 スイッチ

 ちゃんと俺で興奮できた?  ――オカズにしてたんで。  俺でちゃんと抜けた?  ――その人と付き合って、抱かせてもらえるなら、ヨユーで尽くしますよ。  そんなことを言われて、それがなんか嬉しくて、スイッチが入ったような気がした。  セックスのスイッチ。  今すぐ、したくなるスイッチがカチリと音を立てた。  まだキッチンで食器も洗う前なのに。  確かめるように掌で撫でたら、もうすでに少し硬かった。  それを、指の股を使って擦るように撫でると、素直にムクムクともっとデカくなるのが、なんか、可愛くて。  喉奥がキュってした。  テレビのない部屋は雑音がなくて、股間を撫でられて息をつめた枝島の喉の音も、ゾクゾクして喉奥が濡れて、ゴクリと鳴ったのも、全部聞こえてしまう。  咥えて、しゃぶりたいって、喉奥が熱くなったのも  もちろん、しゃぶった瞬間の唇でしたキスの音も。 「ン、む……」 「っ、すげ、治史さんの舌っ」  ホント、こんな時は饒舌。  いつもは返事は最短、話すのは単語をぽつりぽつり、なのに。気持ちいいと舌でしゃぶりつかれていることの感想を述べてくれる。  きっと。 「治史さんの口ん中、熱い」  きっと、あの女の子は知らないんだろうな。製造部の女の子。 「っ、はっ……ぁ」  頬の内側に咥えた先端を擦り付けるようにするのが、好きなのか、必死に俺の頭を撫でて、髪を長い指で掻き乱してく。 「っ」  小さなキッチンのシンクに寄りかかりながら、その足元に跪く俺を熱っぽい視線で見つめてる。俺が口の中で舌先使ってバキバキに硬くなってるペニスの先端を舐めてやると、呼吸を乱しながら、奥歯を噛み締めてる。  しゃぶってやってるのはこっちなのに。  頬張ってるのもこっち。  それなのに、まるでお預けされて、ご馳走食べたいって我慢してるみたいに俺が焦らされてく。それを枝島に見られてるのが、またたまらなくて。  俺の舌って、気持ちいい? 「すげ、それ、なに」  これ? 「気持ちーっす」  そう?  じゃあ、これも? 「っ、はっ」  頬の内側窄めて、できるだけ口の中を狭く、窄めて、搾り取るみたいなの、ゾクゾクする? 「っ、はぁ、は、るちか、さん」  いい? 「やば……っ」  ジュポジュポと音を立てて枝島の熱の塊を頬張った。頭を上下に動かしながら、でかいそれをむせるぎりぎりまで喉奥で味わって。 「ン、ん……ン」 「エッロ……」  その視線が俺の口元じゃなくて、瞳じゃなくて。  ここを見てる。 「っ」  咥えながらじゃ俺自身には見えないけど。  ずれた視線の先から、誘惑するように、Tシャツの襟口を引っ張って見せつけた。 「んんっ」  その途端に口の中でムクムクともっとデカくなったそれに、思わず咽せて。 「ン、ん」  咽せながらしゃぶりついて、自分からTシャツを捲った。見えるように、ちゃんと、乳首が、枝島に。 「ン、ン、んんんっ」  仁王立ちの枝島の手は届かない足元で、俺は自分の指で乳首を押し潰して、指先で転がすようにする。指の腹で捏ね回してから、小さな粒が感じて勃っているのが見えるように、先端だけをいじって見せた。それがたまらなく興奮してきて、舌で枝島のを丁寧に舐めてあげたいと喉奥がじゅわりと濡れていく。 「っ、ンンンンっ」  たまらなくなった?  興奮した枝島が息を乱しながら、前屈みになって、その長い指で俺の乳首を摘んだ。 「んんっ、ン、ぶっ……ん、ん」  ゾクゾクした。喉奥が開いてくくらい、乳首を自分でいじるよりもずっと気持ちいい長い指に引っ張られて、カリカリってその爪で引っ掻かれて、しゃぶってる口の中が気持ち良さそうに蕩けてく。 「ん、ん、んんんっ」 「っ」  乳首を責められて、可愛がられて、思わず枝島の太腿に爪を立てた。 「ん、ん」  イきそ。 「んんんっ」  痛いくらいに乳首を指にいじられて、喉奥がほら、まるで腹の奥みたいに締まってく。枝島の太くて硬いペニスにギュッてしゃぶりついて、抉じ開けられる快楽を自分から堪能する。 「んんん、んんんっ」 「っ、治史、さんっ」 「ん、って、口に、らひて、ぃ」 「っ」 「ん、ンンンンっ」  ビュクッって喉奥で弾けた瞬間、触ってないのに。 「ん、んっ……」  俺も、達してた。 「……ん……ん」  枝島の太腿にしがみつきながら、乳首を痛いくらいに引っ張られて、喉奥に放たれて、イった。 「……ぁっ……んく」  喉、熱い。  乳首が火照ってる。 「あっ……ん」 「治史、サン」  もっと、したい。 「気持ち、よかった?」  膝立ちになって、喉奥まで使ってしゃぶりついた熱にキスをした。唇で竿を柔らかく吸い付いてから、口の中でもう一度、数回扱いて。また、硬くさせて。 「すげ、気持ちよかった……やば、い」  なら、よかった。 「治史さん」  枝島の長い指が、今、射精したばっかで濡れた下着ごと、全部を引っ張って。 「俺のしゃぶりながら、イッたんすか?」 「っ、そ……だよ。枝島の太いの咥えながら、イった……んだ」  俺は自分のTシャツで口元を拭ってから、その裾を咥えて、ひん剥かれて、見られたドロドロな腹を撫でてから、脚を開いた。

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