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第59話 知らない、っすよ。

 十五から俺に恋してると、怒ったような顔で囁かれた。 「あ、元彰っ」 「っす」  その返事、好き。 「あ、入って、くるっ」 「何が?」 「あぁぁ、元彰の、大きいのっ」  足をいっぱいに広げて、けど、寝転がってしまうと見えないから枝島の、元彰のいつも頭に敷いている枕を背中の下に置いて、上半身を起こして、その太い首にしがみついた。  三本指で解された孔は元彰のを飲み込んでく。 「治史さん」 「あ、大きくて、太いのが、入って」 「っ」 「あ、あン」  クチュ、ぬぷ、って、甘い音を立てて、突き立てられた熱を飲み込んで。 「あぁ、あっ」 「まだ、先しか挿れてないのに、治史さん、顔、とろけてる」 「あ、だって、も、気持ち……あぁ」  熱くて、たまらない。  ゴム越しじゃない熱はただ孔に触れたところからもう、たまらなく気持ち良くて。先端が押し付けられただけで、頭の芯がじわりと痺れる。 「生、ヤバ……」 「あ、あ、あ、元彰のもっと入ってっ」 「っ」  溶け、そう。 「あぁっ、太いっのが」 「っ」  全部、飲み込んだ。ほら、今、入ってる。  それを確かめるように手を伸ばして、それから硬くて逞しい腹筋を撫でた。 「あぁっ……ぁ、あ」 「っ」 「元彰……」 「今、名前、呼ばないで、もらってい、すか」 「っ、ン、イく?」 「っ、だから、マジで、じっとしてて」 「あっ……ン」  フー、フーって、息を乱しながら、込み上げてくる快感をやり過ごそうとしてる元彰のうなじを撫でただけで、中で太いのがビクっと跳ねた。 「あっ」 「っ、ちょ、マジで今」 「元彰……ン」  名前を呼びながら、その首にしがみつきながら、その荒々しい呼吸をこぼす唇にキスをした。 「動いて」 「っ」 「俺の中で、もっ、」  もっと、して。 「あ、い、から……めちゃくちゃに、あぁ、あ、ン」 「っ」 「して」  グチュリって、深く射抜かれた音がした。視線を向ければ、太いのが身体の奥に突き立てられてて。 「あぁっ」  それから引き抜かれる。あんなに太いのが俺の中を抉じ開けてた。見ると増す快感に震えて、中が、もっと突いて欲しそうにしゃぶりつく。 「あ、あ」  そのまま孔で絞り取るように、狭くなった内壁を擦り上げるように、中を強く抉じ開けられて。またズププって、入ってくるの感触を目でも感じて。 「あぁっ」  グッと押し込まれた瞬間、背中が弓形にしなり、とろりと自分のから気持ち良さそうにカウパーが溢れた。 「治史さん」 「ン、んっ……ンン」  熱に浸ったように掠れた声に名前を呼ばれ、キスにしゃぶりつく。舌を絡ませ合いながら貫かれる。 「あ、あン」  唇から、繋がった身体から濡れた音が溢れてる。 「あぁっ、そこ、気持ち」 「ずっと、好きだった」 「あぁ……」  まるで熱に浸って無意識に溢れた独り言みたいに、元彰の低い声がそう呟いた。 「あの人の中に、俺……」  汗で濡れた黒髪を撫でながら、突き立てられたペニスを中できゅっと締め付ける。俺の中で夢中になって行き来を繰り返す元彰のがもっとたまらなく気持ち良くなるように。 「元彰……」 「すげぇ」 「あ、あ、あぁっ」 「好き」 「あぁっ」 「ずっと、貴方のことが好きだった」 「あ、あ、激しっ」 「ごめん。止まんね」 「あぁ」  揺さぶられて、突き上げられて、深くまで貫かれながら、自分からも腰をうねらせて、熱にしゃぶりつく。 「止めなくて、い、から、このまま」 「っ」 「めちゃくちゃに、された、い」 「っ」  挿入されたままキスがしたくて、もっと脚を開いて背中を丸めた。首に、肩にしがみつきながら、普段寡黙だけれど、こんな時には饒舌な唇にキスをして。 「俺も……好き」  熱くて、恋が焦がれてる。 「治史さんのこと、好き」 「っ」  繋がって、触れ合ったところが全部トロトロにとろけてく。 「あぁ、激し、い」 「っ、ごめ、ちゃんと、外に」 「い、から、このまま中に」 「っ」 「中が、い、元彰の欲しい」 「っ、マジで、ホント、貴方は」 「あぁぁっ」  腰を鷲掴みにされて、奥深くに突き立てられた。 「あぁぁっ!」 「加減、がっ」 「あ、い……から」 「っ」 「しないで……加減」  誘惑するようにキスをした。 「元彰の好きに、されたい」  抱え上げられた足にもキスをされて、それを見つめてたら、目が合って。 「あっ」  抱かれてるって、実感が感度を上げてく。 「知らない、っすよ」  好きな男に抱かれてるって、実感だけでイキそうになる。 「十五年ずっと好きだった人を抱いてるってだけでヤバいのに。今日の治史さん、俺のこと煽りすぎ」 「あぁ、あ、あ」 「やっぱなしは」 「あぁ、や、あっ……それ、ダメ」 「ナシなんで」 「あ、あぁぁあ」  深く突き刺さった。 「あ、激しい」  そのまま揺さぶられて、中でもっと太くなって、熱が上がった元彰のが暴れてる。  何度も突き上げられながら。 「イク、も、あっ……イク、イク」 「俺もっ」  奥まで全部この熱でいっぱいにされると溶けそう。頭の中が沸騰する。 「あぁ、あ、あ、あっ、激しいっ……ん、く……んん」 「治史、さんっ」 「待っ……ン、んっ」  キスしながら何度も、腰を打ちつけられて、爪先まで気持ちいい。 「すげ……中、熱くて、とろっとろ」  熱いのは元彰の、だ。 「治史さん」 「ン、ふ」  熱いのは。 「口の中も、奥も全部、すげぇ熱い」  元彰の、ほうだ。 「あ、あ、あ、イ……くぅ」 「っ」 「ン」  そう言いたいのに、どれも言葉にならなかった。全部を。 「治史、サン」 「あ、あ……ふ……ぅ、ン、あっ……あ、く……ン」  全部を、枝島で塞がれてて。 「んんんっ……イクっ」 「っ、締まる」 「ン、ンンンンンンっ」  身体の奥が、舌が、唇が、どこもかしこも熱くて、たまらなかった。

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