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第72話 はしたないから、見て
とても恥ずかしいこと、言ってるって、自覚はある。
自分からもうその気になってるってわかる、コリコリになった乳首の場所を教えるように、Tシャツの前をピンと張るように引っ張りながら、食べるか? なんて。
「布越しがいいっすか?」
正気だったら口が裂けても言えないことを言ってるって、わかってる。
「ぁ……あ、布越しも、っ」
「も?」
「あっ、あぁっ」
布越しに柔らかい舌に乳首の先端を撫でられて、もどかしいのがたまらなくいやらしくて気持ち良かった。
「あ、あっ、元彰っ」
Tシャツが濡れて、薄っすらと肌色が透けて。
「エッロ……」
呟かれながら、またそこにあるコリコリに硬くなった豆を歯で甘噛みされると腰の辺りがジン……と重い熱に痺れる。痺れて、焦ったいのすら気持ちいいと腰が揺れると、元彰のガチガチに張り詰めた熱が太腿に触れて、それにもまた興奮してる。
「本当は帰ってきてすぐに押し倒したかった」
「っ、あっ」
「玄関のとこで押し倒して、そのまましたかった」
言いながら、元彰の唇が布ごと俺の乳首を噛んで、口の中で乳首を舌で転がすように舐めて、押して。
「ヤキモチとかしてもらえて、すげ、嬉しかったっす」
「な、に、言って」
「けど、一緒に飯も食いたかった。料理苦手な治史さん、すげぇ可愛いから」
「そんな、わけっ」
「あんなに仕事してる時かっこいい人でも、苦手なことあるんだって」
「あっっ」
口でされながら、もう片方のウズウズしていた乳首を指先でキュッと摘まれて、腰が勝手に跳ね上がる。
「風呂待ってる時も、早く貴方としたくて、たまんなかった」
「あ、あ、あっ」
「いつでもしたいの我慢してるんで」
「っ」
「なんで、あんま、煽らないで欲しい……っす」
も、したい。
「元彰の、も」
「っ」
「手、気をつけて。もう少しベッド、の、真ん中に」
指示に素直に従った元彰がベッドの真ん中まで俺を乗せたまま、ずりずりと移動する。
ここなら、俺が気持ち良くなって仰け反っても、お前が手で支えなくていいだろ?
「あ、も……こんな」
「っ、治史さん、早く」
それに、俺もしやすいから。
「ん、口でする? もう、挿れ、たい?」
ガチガチに硬くなった元彰のを手で数回扱いただけで、もっと強度を増した熱の塊に喉奥がじゅるりと潤んだ。口には入らなそうな太い幹を咥えてみたくて。でも、同じくらい下腹部、へその下の、奥の方が、ジンって熱を孕んで切なくなる。ここを、この丸い切先で突かれたいって。カリのところで引っ掻かれたいって。
「どっちも、欲しい、っす」
どっちもしたくて。焦ったい。
「ん」
「っ、すげ」
一度身体をずらして、元彰の足の間に陣取ると、そこで四つん這いになって、股間に顔を埋めた。
「ン」
パクりと咥えたら、頭上で、熱っぽい溜め息が溢れて落ちる。
「ん」
「っ、はっ」
気持ちよさそうにされると、喉奥がとろけていく。
「ん、ン」
もっと咥えて。
「ん」
頬の内側で頬張って。
「ん、ん」
舌で裏筋のところを舐めて、なぞって。
「ン、く」
それから、また柔らかく潤んだ喉奥に切先を咥えた。
「っ、やば、い」
ジュポジュポ音を立てながら、喉奥が気持ちいいと開いていく感じ。それと一緒に勝手に潤んでいく身体の奥に自分の指を。
「ん、んんんっ」
挿入していく。
「っ、治史、さん」
風呂、長かったから焦れた? 早く早くって。
「も、ようい、ひた、から、ンンっ」
咥えながら呟くと、舌先を擦り上げて、口の中で元彰のが跳ねた。
弱い上顎をペニスで撫でられて、ゾクゾクする。まだ触っていない自分のがピクンって揺れて。
「ん、ンン」
溢しそう。
先走り。
「ん、んん」
二本の指でクチュクチュって、やらしい音を立てながら、下を柔らかくしながら、上の口は元彰のをしゃぶって、同じようにやらしい音を立ててる。
「ん」
見上げると、射抜くように見つめる視線に全部を見られてた。ヤキモチやきで大人の余裕なんて一粒もない、好きな男にしゃぶりついて早くこれが欲しいと疼く恥ずかしい自分を。
全部。
見られてた。
「治史さん」
「あ」
恥ずかしい。
いくつもいくつも年上なのに余裕なしで。
「やば、出るっ」
好きな男に夢中になって、してもしても、まだ抱いて欲しくて。
「ん、ん、いい、よ。このままクチに」
「っ」
「らひて……」
「っ」
ビュクリと口の中で弾けた。
「ん、んんんっ、ん」
喉奥に飛び散る熱と頬の内側をを柔らかく擦る太い幹い震えて。
「んんんっ」
中が、きゅっと自分の指を締め付けた。出してない。けど、喉奥を元彰ので責められて、とろけるくらいに気持ち良くて、甘イキ、してる。フェラで、口の中を可愛がられて、達してる。舌先に元彰のをかけられて。
「っ、は、ぁ」
「ん…………」
「す、ません。口、出してい、す、よ、ティッシュ……」
「ん」
気持ちいい。
「ちょ、治史さん、そんなの飲まなくて」
「苦……」
その気持ち良くなった唇を拭って。
今までしゃぶりついていた元彰の先端を掌でくるりと撫でた。自分で二本指を咥えていた方の、ローションまみれの手で。
「まだ、こんな?」
撫でて。
優しく、でも、ぬちゅりと掌でできるだけ上手に誘惑できるように包み込んで。
「よかった」
「っ」
「もっと」
「っ」
「これ、欲しい」
はしたなくて恥ずかしいことも厭わないほど。
「……元彰」
好きな男を一生懸命に誘惑した。
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