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第90話 たくさん愛でて、奥まで愛でて

 跪いて、見上げながら喉奥をキュッと閉めると、頭上で溢れる吐息が気持ち良さそうに乱れてく。 「ン……ぁ、む」  窄めた喉で元彰のを可愛がると、大きな手が俺の前髪をそっと掻き分けた。 「っ、治、史さ、っン」  見たい? 咥えてるとこ。口でお前のを、こうして。 「っ」  しゃぶって。 「っ……」  顔を枝島の股間に埋めて、根元にキスしながら先の、くびれたところを片手で扱くとこ。  手のひらで先端を包み込むと、たっぷりしゃぶられたそれが手のひらの中で濡れた卑猥な音をさせるとこ。 「っ、それ、すげ」  先端から挿入の真似事みたいに唇を窄めたまま咥えて、一気に挿れたみたいに喉奥まで飲み込むとこ。 「っ、治史さんっ」  そして、うまそうにしゃぶりながら。 「っ」  自分の背後にまわした手で、指で、さっきお前の長くて骨っぽい指でしてもらった続きに中をほぐすとこ。 「っ、っ」  見たい? 「あ、んむ……でっか、ひもひ、イイ?」 「っ、あっも……」  見せるから、イって。俺のこと、お前のおかずにして。  来週まで、これで一人でできるようにちゃんと見て。 「ン、んっ、ン」 「っ、イッ」 「ン、らひて……ン」  お前が興奮するようにしゃぶるから。 「っ、治史、さんっ、っっっっ」 「ン、ンンンンンっ!」  そして、深く喉で咥えたら、硬い切先が奥をついた。 「っ、は、ぁ」  大きな手が俺の髪をかき乱して、鷲掴みにする。逃げないようにと固定されながら、この喉奥に欲情をぶちまけられた。 「っ、っ、っ」  残りも俺の喉の擦り付けるように達して、ずるりと抜ける瞬間、口元がそれに濡れた。 「あ……は、濃い、元彰の……すご、い」  好きな男の欲情を飲み込みながらもっと発情する。 「……気持ち良かったか? 俺の」 「っ」 「こっちにも、それ、欲し」  甘イキだから出してないけど、イッた。ほら、ここ、達した余韻に浸りながら、もっと欲しそうにヒクついてる。  ここ。  お前のこと欲しいって、ほら。 「元彰」  ヒクヒク、してる。  それを見せつけるように、手をついて自分の手で広げながら、差し出して、そっと振り返ると、視線に射抜かれる。 「あっ……ン、ンフ」  齧り付くように背後からキスをされて、密着した身体が勝手に、硬くなってる元彰のそれに媚びて揺れる。 「治史さん」 「顔見ながらがいい」 「っ」  しばらく見られないからと囁きながら、その頬を両手で包み込んで、舌を挿れた。絡まり合って、溶け合いそうなくらい深く口付けると元彰が治ったばっかりの手でまた俺の腰をしっかりと掴んで、引き寄せて、抱き抱えた。 「わっ、ちょ、嘘っ、ぁっ、ああああああっ」  そのまま、抱き抱えたまま、挿入されるなんて思ってなくて、咥えた瞬間、視界に星が瞬いた。 「あ、待っ」  抱っこされたまま、揺さぶられて、思わずぎゅっとしがみつくと、息が止まりそうな口付けでも繋がる。 「ン、ン、んっ」 「治史さん」  まるで高熱に意識が飛んでるみたいに、元彰の低い声が耳元で名前を呼ぶ。  好きなんだ。  元彰に名前を呼ばれるの。  低音が耳に心地良くて、落ち着くのに、落ち着かなくて。  自分の名前まで好きになれそうなくらい。 「あ、ン」 「治史さん」  この声も好き。 「あ、深いっ、あ、あ」  足でもしがみつきながら、中が元彰の熱に、硬さにトロトロに絆さてく。  もう、イク。 「あ、あ、あ、イク、元彰、イク、イク」 「っ」 「元彰も、中に、出して」 「っ」 「ン……出して」  ねだるように抱き抱えられたまま、揺さぶられる身体で元彰の熱の塊に媚びて、舌先で寡黙な唇をぺろりと舐めて、濃厚に絡ませる。 「ン、ぁ、イク」 「っ」 「あ、あ、あああああああっ」  そのまま達した。  ビュクリと弾けて、身体の一番奥めいたところも濡れるのを感じた。トロトロに、なった俺の中で、元彰が達して。 「あつ……い」  そう無意識で呟くと、乱れた呼吸が唇に触れる。 「ン」  そのまままた舌を絡めて。  角度を変えながら、何度も舌でしゃぶりつくと、挿入されたままの元彰の熱が中で硬さを保ったまま、微かに動く。 「ン」  硬い。 「ン、もっと」  おねだりをしながら腰を揺らすと、抱き抱えたまま、元彰が数歩歩いた。 「あ」  繋がりは解かないまま、ベッドにそっと寝かされて。 「あっ……ン」  抜けないよう腰をくねらせる。強い視線にその痴態を見られて、もっと興奮した。欲しがり、な俺を視線でも、犯してくれる。  足を大体に広げて、深く元彰のを咥え込んだまま、自分の下腹部には達して溢れた白が散らばっている。 「治史さん」 「あっ溢れるっ」  突かれると、頬が羞恥に熱くなるくらい、美味しそうに咥えた孔からやらしくてたまらない音がする。 「あ、あ、あ」 「まだ、抱くんで」 「ぁ」 「一週間分」  来週までお預けになるから。  もうギブアップってなるくらい抱いて。 「元彰」  好きな男の形を身体で覚えておくから。 「抱き潰して、いいよ」 「……」 「一週間分」  だから深くまで来て。 「奥まで」  たまらなく好きな男しか入っちゃいけない。 「ここ」  奥まで。 「たくさん、して」  そう囁いた瞬間、元彰の手が逃さないと、腰をしっかり鷲掴みにして、深くまで貫くと、体勢が変わる。  突き立てられるって、思った瞬間。  いつもの片言な短い返事が聞こえた瞬間。 「っ、あっ、あああああああっ」  深く深く射抜かれた。 「はっ、あっ」 「治史さん」  元彰でいっぱいになるのがたまらない。 「すげぇ、好きっす」 「あっ」  奥まで来て。  たくさん抱いて。  中にいっぱい出して。 「俺も、好き」  一週間分。 「好き……」  どこにいても、何をしてても、思わず口元が緩むくらい。 「好きだよ」  俺を抱いて。

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