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5話 ワタクシとっくにキャパオーバーです
こんにちは! お待たせしました。(えっ?待ってない?)光屋光子、キラキラ“腐”女子44歳です!
配信観ましたよ!!(もーー、萌えと恥ずかしさと妄想が激って滾って、何度のたうちまわった事か)
ワタクシの妄想の素、推し声優の新見駿くんとワタクシの実の息子で新人声優の光屋智晴のゲームショウでのトークイベント、ワタクシと夫くんは自宅でネット配信をリアタイしておりました。
(夫くんには内緒で、Nさん×M君2次創作界隈のSNSもこっそりチェックしていましたとも)
『みつ君がかっこいいスポーツカーで迎えにきてくれてさー! 思わずドキっとしちゃった』
『いやいや親の車ですし、スポーツカーって言っても国産車なんでっ』
『助手席で音楽かけながら〜〜、ドライブデートっぽくて楽しかったねー』
……だなんて
うちの車の助手席に駿くんが乗った実感がひしひしと(どうしましょう、ワタクシもうおこがましくて助手席に乗れませんわ)
そんな嬉し恥ずかしエピソードから始まり、終始いちゃいちゃ(腐女子フィルター? はい、自覚しておりますとも)トーク連続で、それはもう盛り上がる界隈、ゴロゴロのたうち転げ回るワタクシ。配信が終わった頃には息も絶え絶えです。
はっ! そういえば今日のうちに車を返しにくるのよね。
駿くんを送っていって、それからだから遅くなるかしら? 今日は夕飯いらないって連絡もきていたし。
(あまりの2人のいちゃいちゃトークっぷりに当てられちゃって、実の息子といえども顔を合わすのも恥ずかしいくらいなので、少しインターバルがあるのがありがたいです)
そんなわけで気分を落ち着けるためにもSNSチェックして同志たちとトークイベントの余韻に浸っておりますと、何やら夫くんがバタバタと忙しそうにしているのが目に入ります。
(何やら部屋の掃除をしたり、先週のイベントで使った衣装を整理し直しているようでございます)
どうしたのかしら? と声をかけようとしたところ
ピーンポーン(玄関のインターフォンがなりました)
慌てて対応に走る夫くん。
不思議に思ってワタクシも玄関に向かいますと
「おかえりー、早かったね」
「ただいまー、また急に頼み事しちゃってごめんね父さん」
(あら? もう息子が帰ってきたのかしら? 予定より早いわね)
「急にすいません、お邪魔しますー」
ほあぁぁっぁへぁあ?!?!
(推しの!!! 声が! する?!!!!?)
げ、幻聴?!!?
(いやいや、まごう事なき推しの声! ワタクシが駿くんの声を聞き間違えるはずございません!)
転げるようにして玄関にまろび出ると……
まごう事なき推しの姿がそこに!!!!
!!!!!!?!!!??!!!!!!
「なんか、兄さんがうち来たいって言うから連れてきちゃった。」
「お世話になっています、新見駿です。急にお邪魔しちゃってすいません」
「ふぁーーーーーーーー?!?!」
(ワタクシ、意味の分からない叫び声をあげて、完全に思考停止してしまいました)
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