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恋人編 3 交わる
やっぱり、背が高いな。もしかして身長伸びた? いや、俺が縮んだのかな。なんだか普段よりも差がある気がする。革靴を履いている俺のほうが、スニーカーの睦月よりは少しばかり背が高くなるはずなのに。そう見えるだけなのかな。
女性でもないのに、君の前だとダメだな。なんだか、甘えたくなってしまう。
同性なのに、背が彼よりも低いことに嬉しくなったり、ただスーパーで出会えただけで、まるで運命の出会いと勘違いしたように鼓動が高鳴ったり。ヤキモチを妬いてくれたことに、はしゃいでしまったり。
睦月と、恋愛をしている自分がいて、ちょっとくすぐったくなるんだ。
「千佳志さん」
「んー?」
恋をしてるんだなぁ、なんて、感激したりもして。
「俺も年下ですよ」
一緒にうちに帰りながら、君の背中を眺めて、そんなことを考えていた。
「え?」
「だから、さっきの会社の」
「……」
「子持ちだとか、イイ歳した男性だからとか、そんなのなんのマイナスにもならないですよ。普通に、好きになった男がここにひとりいますから」
あぁ、ホント。
「だから、安心しないで、本当に」
君に恋をしてる。
「あっンっ……睦月っ」
とても甘ったるい声を上げて、触れたかった君の髪を指で乱していく。唇でも触れたくて、その髪にキスをした。
塩素じゃなく、シャンプーの優しい香りのする髪に。
「カレー、やっぱりちょっと辛かったですね」
「ン、ぁ」
ぎゅっとその愛しい頭を抱き抱え、乳首を甘噛みされた気持ち良さに、快感に浸った声を上げた。
「中辛だったのに、ね」
キスしたい。セックスしたい。隣でカレーを作る横顔に見惚れながら、ふたりで他愛のない会話を続けた。肩を並べて、じゃがいもの皮を剥きながら、鍋で玉ねぎをソテーしながら、今日あったことを話してた。
それはまるでとっておきのチョコレートを最後の最後までとっておく子どもみたいなワクワクとドキドキがあって、たまらなく、楽しみだった。
「あぁっ……ン、ぁ、乳首」
「好き?」
「ン、好き、もっと……」
口にすると、一瞬で甘くて濃厚な香りが広がるチョコレートを待ってた。
「どんなふうにして欲しいんです?」
「あっ……ン、んっ……もっと」
俺の乳首も君にとってそんな美味しい粒になれたらいいのに。
「もっと、齧っ、ぁ、やぁぁぁぁッン」
声を気にしなくていい時はできるだけ我慢しないで声をあげる。できるだけ甘く、やらしく、睦月の耳元で啼いて、耳に残るように。
「やらしい声」
「ン、だって」
淫らなことがしたくて、すごくしたくて、仕方がないんだから。乳首を濡らして気持ち良くしてくれた唇に一つキスをして、そのままベッドに座る睦月の身体の上を移動する。
「千佳……っ」
「ンっ」
とてもやらしいことがしたくて仕方がない。だから、もう硬くそそり立っている彼のペニスにとてもいやらしく舌を絡めて、口にした。さっきまで笑って「辛いね」って言ってカレーを食べていた口で。食器を洗って、キッチンを整えていた手で、睦月の太くて硬いペニスを握って、舌でその先端を割り開く。鈴口のところを刺激して、吸って、しゃぶりつく。
「ン……ん」
何をしても、どこに触れられてもイってしまいそうに火照っている身体は熱くて仕方がないけれど、口に含んだ彼もとても熱いから、嬉しくてもっと丁寧に舌を絡めていくと、大きな手が俺の腰を掴んだ。
「こっちに来て。千佳志さん」
「ン、ぁっ……んんんっ」
これ、恥ずかしいのに。慣れてないから。普段は大胆すぎてやらない行為だけれど、今日は――。
「あっ、はぁっ! あ、ン、ダメっ……ゃ、恥ずかしっ」
「見せて」
「んんんんっ」
指が入ってくる快感と、ペニスにキスをすることのやらしさがないまぜになって、すごく感じてしまう。
「やぁぁぁぁっ、ン」
舌まで使ってそこをほぐされてる羞恥心すら快感で、触られてない自分のペニスがヒクンと揺れて透明な蜜を垂らした。
「気持ち良いですか? 腰、揺れてる」
「あっ、ぁっ、ン、あン……ン」
「中もきゅうきゅう言ってる。指、好き?」
二本の指が前立腺を擦って、撫でてくれる刺激的な快感に、足の先が力を込めるのに、ペニスを握っていた手がきゅっと扱いでしまうのに、身体の芯は熱が溜まって蕩けそう。お腹の奥のとこが熱くておかしくなりそう。
「ン、好き……睦月」
腰を上げて、孔の口を舐めて濡らしてくれる指に身悶えながら、硬くそそり立つ目の前のペニスにキスをした。
「好き」
根元にキスをして、竿のところはアイスを横から齧るみたいに唇で咥えて、舌でチロチロと舐めて、そして、先端に吸い付いた。先走りの滲む先端を吸って、くびれのところを唇で咥えて、口に含んだ亀頭を丁寧に濡らして。
「好き、だから」
君が柔らかくしてくれた孔の中を。
「だから、早く、これ、欲しい」
この先端で掻き混ぜて欲しいと、逞しくそそり立つペニスに頬擦りしてみせて。
「ここに、生で、欲しい」
君の唾液に濡れた孔で、大好きな君の指でも届かない最奥を、たっぷり突いてとねだる。やらしく、卑猥に、大胆に、孔を自分の手でも広げながら、愛しい人を精一杯誘惑した。
「やらしい、人。どうしてこんなにやらしくて、俺を煽るくせに、自分は何の変哲もないサラリーマンだから、なんて思えるんですか」
「ン、ぁっ……来る。ぁっ」
だって、こんな姿、君しか知らない。
「あ、ダメ、もっ……イっ」
「千佳志」
「あ、ぁ、あああああああっ」
背中を仰け反らせ、ペニスの逞しさに甘く啼きながら、身体を抉じ開けられる快感に満たされて射精していた。
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