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恋人編 7 中まで濡れて

 静けさがくすぐったかった。  一日目は二人っきりの空間にはしゃいでた。二日目は、喧嘩してしまったから気まずくて、その気まずさにすら戸惑って、沈黙が部屋にみっちりと充満していて重たかった。三日目の今夜は、食事の間、とても静かだった。でも、静かで落ち着いている空間は、それはそれで素敵でくすぐったくて、ワインを飲みながら口元がずっと緩んでいた。  心地良い、ドキドキする無言だった。このあとのことにそわそわしすぎてる、落ち着かない無言。  そんな食事を終えて、お風呂で身体を丁寧に洗って、濡れた髪のままもどかしさに耐えられずベッドで待っている君のところへTシャツ一枚で向かって。下は何も身につけず、もてあます欲求に従って。 「ン、ぁ、早くっ睦月っ」  ベッドの上で待つ、鍛え上げられた上半身裸の君にゾクゾクした。  そして、「ご飯食べたよ。お風呂も入った。歯も磨いたよ。だから、ねぇ」なんて子どもがいいそうなおねだりを、言いたくなるほど、君と目が合った、その瞬間、欲しくてたまらなくなった。  君のことが。 「あ、睦月っ、むつき」  だから、歩み寄って、無言で見上げてくる彼の肩に触れて、鎖骨を指先でなぞって、そのまま跨り、すぐに舌を大胆に絡めて、昨日はへの字だった唇を貪った。  角度を変えて、もっと深いキスをしながら、じくじく疼くことに耐えられない身体をすり寄せて。 「千佳志さん?」  そんな俺に意地悪しないで。 「どうしたの?」  額をこつんってしながら、妖艶に微笑んで見上げないで。 「ン……睦月」 「はい」  俺の欲しいものを知ってるくせに、君しか俺にそれをくれないのに、知らないフリをしないでよ。 「お願い」  君が心配のあまり迎えに来てくれた「ただいま」のあの言葉からずっと、たくさん「待て」をされてた身体は疼いて仕方ないのに、言うまでおあずけなんて。 「睦月……一昨日、したばかりだから、ここ、まだ柔らかいから、早く」 「千佳志さん、ちゃんと、言って。やらしい言葉言ってください」 「っ」  首にしがみつく手を片方、睦月のルームウエアの中へと忍ばせる。熱くて、硬くて、今、欲しくてたまらないそれを握っただけで甘い溜め息が零れた。 「一昨日……睦月とセックスしたから、まだ、孔、柔らかい……だからっ、っ、早く睦月の、この」  今度はズボンの中でそそり立ったペニスの裏筋を指でなぞって、誘ってみる。 「挿れて。硬くて大きいの、欲しい」  もう充分すぎる重量に育ったペニスの先端を撫でながら、甘えた猫のように唇にキスをした。 「困ったな」 「や……睦月っ、早くっ」  もう我慢できないのに。困っているのは、俺の疼いた身体なのに。 「想像以上に、やらしかった」 「ぁっ、ン」  あまり前準備は上手じゃない。そんなことを普段は伊都がいてできないから。なんとなくで塗りつけておいたローションまみれの孔の口を睦月の指に撫でられて、キュッとその口がすぼまった。 「ローション、やったけど、上手に濡れて、ない、かも」 「……」 「孔の中、も、ちゃんとやってみたんだ。いつも、君に、してもらってるのを真似てみたけど」  中にも君の指を真似て塗ってみた。 「でも、あんまり気持ち良く、なかったよ」 「……」 「睦月にされると、っうわ!」  君にされると、前準備なのに一度先に達してしまうほど気持ちイイのに、自分でしたら、ちっともだったんだと言いたかったのに、言えなかった。 「一昨日もしたから、身体に負担かもって心配してあげたいのに」  押し倒されて、覆い被さられてしまったから。跨って座っていた俺は、そのまま寝転がるとあられもない姿で、Tシャツ一枚着てたっておかいましに、股を大胆に開いてしまう格好になる。そして、太腿で君の身体を捕まえてるみたい。 「これじゃ、我慢できない」 「ぁ、あっ、ンっ……」  そして、濡れた音、そのすぐ後に抉じ開けられる身体の奥の悦びに、めくれたTシャツを直す暇もなかった。 「中、上手に濡れてますよ」 「あっ、ぁっ、あああああああ、ンっ」  睦月のこの大きさ、すごく、好きなんだ。 「あっ……ン」  息ができなくなるくらい身体の中が睦月でいっぱいになる。太くて、大きくて、熱くて、苦しさすら愛しくなるほど、この重さが好き。 「ちゃんと、濡れてる? 中」 「えぇ、柔らかいのに狭くて熱くて、濡れてて」 「あっンっ……今、待って、まだっ」 「すごく、気持ちイイ」  ペニスをずちゅぐちゅと突き立てられながら、低い声で中の具合を褒められて、また気持ち良さがます。  君のペニスにもっとしゃぶりついて、気持ちイイと君のことを困らせたくて、孔の口がきゅんと締め付けた。まだ、中はうねって大悦びしてるのに。そこを好きなこの大きさで擦られてたまらず腰がくねり出す。快感に快楽が混ざって、もっと気持ち良くなって、溶けてしまいそう。 「あっ、あっ、ぁ……ン」  睦月が俺の中にいる、そこ、孔の口のところから聞こえる音も、自分の唇から零れる声もやらしくて、蕩けてて、ぐちゅぐちゅに掻き混ぜられた蜂蜜みたいに甘くて。 「ぁ、睦月……」  グン、と貫かれる度にずり上がりそうになるのを捕まえられて、引き戻されることも、嬉しくなるほど、今の俺は、やらしい人だから。 「ここ」  Tシャツをめくり上げて、敏感に硬くなった乳首を自分の指で押し潰して、勃っていると君にもわかるように摘んで見せた。ここも気持ち良くして欲しいとねだるように、指で摘んだそれを爪先でカリカリ引っ掻いて、乳首への自慰を見せ付けた。 「睦月に食べて、欲しい」 「っ」 「あっ! やぁっ、ン、んっ、そこ、イきそっ」 「言いながら、締め付けてくるやらしい貴方がいけないんでしょ」  色っぽく苦笑いを零した睦月が、水泳で鍛え上げられた背中を丸めて、小さな粒しかくっついていない平らな胸を貪った。乳首をいじる指ごと君の舌で濡らされて、切ないくらいに感じてしまう。その間も止むことなく、波打つように腰を動かして、中を掻き混ぜてくれるのも愛しくて、イってしまいそうなほど気持ちイイ。 「ぁ、はぁっ……ン、イ、ぁっ」  ただの男の胸だけれど、小さな粒でしかない乳首だけれど、君にたくさん気持ちイイことを教わった粒だから。 「あ、やぁっ……ン、イっちゃう」 「俺も。貴方の中、良すぎです」  舐められただけで、こんなに敏感に中がうねる。君のペニスにしゃぶりついて、中を、奥をもっと濡らしてとねだってる。 「ン、ぁ、あっ、あぁ」 「千佳志、さん」 「中、して?」  キュッと抱きついて、キスをして甘えたおねだりをした。その間も絶えず攻めてくれるペニスが気持ち良くて、もっと奥まで誘うように、逞しい腰に足でもしがみついて。 「っ、ちか、し」 「ン、もっと、名前、呼んで、睦月」  たくさんセックスしたくて、下手だけれどローションを塗ったくらいなんだから。 「千佳志」 「ン、ぁっ、あぁっン」  今日一晩は恋人として俺のことたくさん。 「あ、あっ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!」  たくさんいじめて、可愛がって欲しいんだ。

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