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2回目のバレンタインSS 9 そそる
睦月の、硬いの、欲しい。
「ンっ……ふっ……く、ン」
大きくて、太くて、硬いの。
「んふっ……ン、ん、ク、っ」
舌でその形を確かめる。
「ン、んく」
先のとこを吸って。
「っ、千佳志、さ……っ」
舌先に滲む睦月の興奮を味わった。
ベッドの上、膝立ちになった睦月が、とても愛しそうに、そのすぐそばで屈んでいる俺を見つめてる。名前を呼んだから見上げたのに、目線があったら、しかめっ面になって、そして、息を呑んだ。
「ンっ……ン、ん……」
だから、丁寧に舐めて、喉のところ、まだ、全部は無理だけれど、深くまで、口で。
気持ちイイ? 俺の、舌、ちゃんと、気持ち、イイ?
「……んっ」
まるで答えるように、睦月の手が頭を撫でてくれた。
まだ、してたい。
「ン、んっ」
「千佳志、っ」
まだ、君の硬いのを、口でしてたい。
「もう、貴方の口の中って……」
俺の口の中が、なに? 気持ちイイ?
「本当に……」
「んっ……ふぁっ……」
押し倒されてベッドに沈んだのを追いかけるように睦月が覆い被さった。たった今さっきまで君のを咥えていた口の中を今度は味わうような濃厚で深いキス。唾液が溢れて、朝にはちょっとダメな気がするやらしい音を立ててしまう甘い口付けが美味しくて、自分からも舌を絡めた。
「ン、もっと」
キスが終わってしまうと、自然と言葉が溢れる。
「睦月」
声が、甘い。
「ここ」
「っ」
「挿れるよ。千佳志」
「あっ」
ズルいよ。君のを口で気持ちよくさせてる間もずっと切なくなってたそこにちょっとだけ指を入れて、悪戯をするなんて。身体が妙に期待してしまう。なのに、指は欲しがる孔にほんのちょっと悪戯をしただけで、それ以上はくれなくて、欲いのにって増してしまった欲を刺し貫くように。
「ぁ、あああっ」
睦月のが抉じ開ける。
「あ、やっ……ンっ」
「っ」
「あ、あぁっ、ン、ぁ、ダメっ、睦月」
抉じ開けて、そのまま奥まで、君の指でさえ届かない奥まで貫かれて、目の奥で星が点滅した。
「千佳志……」
上ずった声に名前を呼ばれただけで、孔がきゅんと君を締め付ける。
「あ、あ、ぁっ……ン、ぁっ、や、ダメっ」
そして、腰をゆっくり引かれて。また、クンと押し付けられて、中で睦月のペニスが何度も、擦れて、おかしくなりそう。
「やンっ……ぁっ」
突かれる度に反動で揺れる自身のペニスを、睦月のあの手が握ってくれた。あの力強い手に包まれて、あの指にペニスの先端、鈴口のところを割り開かれて、身震いするほど感じてる。
「あ、あっ……ン」
中もペニスも、全部、するのはダメ、だよ。だってこれ、気持ち良すぎる。ねぇ。睦月。
「あ、あぁっ、ン、あン」
「……可愛い」
「あんっ!」
クンと強く突かれた衝撃でずり上がった。そして、君の手の中で扱かれているペニスからとてもやらしい水音が止まらない。
「イってる? ずっと、ここ、溢れてるけど」
「わ、かっ、ぁ、あンっ……ない、ぁ、ンっ」
くちゅくちゅ、甘い音が止まらない。
「千佳志の中、すごいよ」
「あ、はぁっン」
「うねってる。絡みつくみたいに、されて、すごい」
「あっ、あぁぁぁあああっ」
揺さぶられながら、耳元で気持ちイイと囁かれて、また、何かが溢れた。やらしい音、甘い声、それに。
「千佳志っ、っ」
乱れた君の息遣い。
「あ、ン、気持ちイイ」
今日は俺、風邪で仕事休みなのにね。
「あ、あぁぁあっ、そこ、もっと、して」
「っ」
「ン、あっ、も、イっちゃう」
ズル、になるかな。
「あ、睦月」
自分から、自分の脚を抱えて、大胆すぎるほど身体を開いた。君のペニスが入ってるのがちゃんと見えるように、朝日の中に晒して、名前を呼んだ。自分でも思うほどの甘い声でちょっと恥ずかしい。恥ずかしくて、気持ちよくて、身体が君に抱きつくように絡まった。
男、なのにね。
「っ、すご、それ、気持ちイイよ。千佳志」
「あ、あンっ、ン、あっ、ン」
「ずっと、イってる? 今日の千佳志の中、やらしすぎ」
うん。なんだか、ずっと、一番高いところにいる感じ。ふわふわして、気持ち良さに身体がたまらなく熱くて、おかしいんだ。
「やらしい? 俺の中」
乱れた君の息すら欲しいよ。指も、舌も、この太くて硬いのも、全部、愛しくて、恋しくて、たまらない。
男なのに、君には触られたいし、君にだけは抱かれたいって思うんだ。甘ったれた声で啼いて、喘いで、自分から欲しがって、身体をくねらせてる。
「き、持ちイ? ね、睦月」
「っ」
「俺の中、イイ? あ、ああぁぁっ! ン、ぁ、ン」
奥をズンって、突かれた。深く、激しく、攻められて、足先まで快感に痺れてしまう。
「イイに、決ってる、こんな」
「あ、あぁっ」
奥を、浅いところを、全部、君のペニスに可愛がられて、イっちゃう。
「ホント、自覚、して」
「あン、睦月、ぃ」
イっちゃうってば。
「あ、あ、あ」
激しくして。睦月が欲しくてたまらないんだ。
「千佳、っ、志」
「あっ、ン、あっ、ぁ、中に」
「っ」
中にちょうだい。君のを全部。
「あっ……ン、イっちゃう」
君のことだけは、こんなにいやらしく、卑猥にねだってしまう。
「千佳志」
「あ、あ、あああああああっ」
名前を呼んだ君の唇が乳首をきつく噛んだ瞬間、びゅくりと弾けた。ドクドクと熱を注がれながら、恋しい人の胸元に飛んでしまうくらい、激しいセックスに、穏やかな朝を掻き乱して、甘くしなやかに喘いでいた。
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